経費になる決算前の買い物で、おすすめのもの

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会社の決算や個人事業の決算だからといって、無駄な買い物は避けたいものですが、決算のときにもし買うとしたらおすすめしたいものを挙げてみました。
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※買い物のイメージ RICHO GRⅢ

 

決算前に経費にするには

たとえば会社の場合、3月が決算月として(個人事業主は12月と決まっています)、3月までに買い物をすれば、その3月までの年度の税金が減ります。
同じ買うならば、4月に買うよりは3月に買えば、税金が減るタイミングが、早くなるものです。
4月だと、次の年度、翌年の3月までの決算の税金が減ります。

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とはいえ、決算前に買い物しても、そのときに経費にならないものもあるので注意しましょう。

30万円以上のもの

金額が一式で30万円以上のものは、そのときに一括して経費にできるわけではなく、数年にわたって経費にしなければいけません(中小企業、個人事業主の場合。なおかつ年間累計300万円という限度があります)。

「30万円以上するなら数年使えるよね、それなら経費にするのも数年に分けるべきだよね」という減価償却という制度です。
何年で経費にするかはものによって変わりますし、新品か中古によっても変わります。
新品の車だったら6年、パソコンだったら4年といった感じです。

決算前に30万円以上のものをあわてて買ったとしても、ほとんど経費になりません。
減価償却の計算は月割でやりますので、たとえば前述の例で、3月に35万円のパソコンを買ったとしてもそのときに経費にできるのは、 だいたい15,000円ほどです。

決算までに届かないもの

たとえば、前述の例で3月に買ったとしても3月中に届かないものは、原則として経費になりません。
原則のルールでは、「納品」、届いた時点でそのときの経費になるかどうかを考えます。
たとえば3月31日にヨドバシカメラの店舗で買えば問題ありませんが、Amazonで発注して届くのが4月1日だとそれは4月1日の経費になるわけです。
いつ届いたかわからないだろうと思われるかもしれませんが、調べればバレることですのできちんと確認しましょう。
3月31日に届くつもりだったのが不在で受け取れなかった場合どうなるか。
やはり納品されなかったということにはなります。
ギリギリの発注には注意しましょう。

品切れで届くのが4月以降になっても同様です。

発売日が4月以降で、3月に予約して、お金を払ったとしてもそのときには経費になりません。
前払いしたものとして3月の経費ではなく、4月以降の経費に持ち越します。

決算までに使わないもの

前述の例で3月までに払って買ったとしても、決算までに使わないものも、原則として経費になりません。
たとえば広告費を3月に払ったけど、その広告が出るのが4月以降だったら、3月には経費になりません。
ネット広告はまとめて払って、それを消化する形です。
3月に消化した分だけが経費になります。

セミナーを申し込んで、3月に払ったとしても、それが4月以降の場合、コンサルティングを申し込んで3月に払ったとしても4月以降に実施される場合は、同様に考えて4月以降の年度の経費にします。
セミナーやコンサルティング、カウンセリング、コーチングなどの12回コースに申し込んで、2月に一括して払ったけど、そのうち実施されたのは2月と3月の2回であれば、残りの10回は経費にはならず次の年度に繰り越されます。

じゃあ3月までにパソコンを買って届いたけど、まだ封を開けてないという場合はどうなるか。
厳密にいうと経費にはなりません。
(減価償却の場合には、仕事に使ったかどうかという明確は基準があり、それに即して考えたほうがいいでしょう)
ただし納品をされたけど、実際に使ったかどうかというのは曖昧なものです。
それでも誤解を避けるためには、届いたらすぐ使うようにしましょう
使わないのであれば、そもそもそのときに買う必要はありません 。

切手や封筒、印紙などは使っていないものがあった場合、これも厳密にいえば経費にせず使わなかった分を次の年度に繰り越します。
しかしながら、「これまでも一定の量を毎回継続して買っているなら、経費にしても問題ない」というルールです。
継続して発注しているようなものは経費にして問題ありません。

じゃあ、本はどうか。
本を買って読まない、積読という状況はあり得るものです。
決算前に大量に本を買って読まないまま、積んでいた場合、経費になるかどうか。
金額にもよりますが、問題にはならないでしょう。
本は手元に置いておいて必要に応じて読むという使い方もあります。
ただ決算までに届くかどうかは、気をつけておきましょう。

とはいえ、決算間近にだけ100万円ほどの本を買っていたら、問題にはなるかと思いますが。

動画音声教材も同じような考え方です。
ネットで買えてすぐ利用できるような動画音声、ダウンロードできる動画音声であれば、決算ぎりぎりまで買うことができます。

私も販売しています。
タイムコンサルティング オンラインショップ | 井ノ上陽一の動画・音声教材
テキストやPDFの教材もそうです。

ただ買った以上は確実に利用したいものですので、買いすぎに注意しましょう。
DVD や CD で送られてくる場合は、届く日に注意しなければいけません。

こういったものの、例外として家賃や生命保険料やセーフティ共済の保険料などがあります。
継続して毎年3月に1年分を払っているのであれば、それは経費として認められています。

しかしながら一括して払って、節税の効果があるのは最初の一回きりです。
たとえば2018年4月から3月まで20万円ずつ払い240万円払っておき、2019年3月からは年に1回3月に240万円払うとしたら、そのときは72万円ほどさらに節税になります。

ただ、次の2020年3月に240万円払ったときは、年間で払う金額は240万円で変わりませんので、節税にはなりません。
そうなると240万円を前倒しで払うというお金の負担の方が大きくなるものです。

なお、家賃の場合は、契約書に年払いをする旨を入れてもらっておきましょう。

 

決算までの売上に対応しないもの

商品を3月に仕入れて3月末までに売れなかったものは、経費になりません。
いわゆる在庫、棚卸です。

外注費を3月に払ったけどそれに対応する売上はまだ立ってなく、4月以降に立つのであれば同様に経費にならず、繰り越します。

そもそも経費でないもの

いつの経費になるかという問題以前に、そもそも経費じゃないものもあります。
たとえばオフィスを契約して払う敷金や保証金は経費ではなく、預けているだけです。
借りたお金を返す場合も、それが経費になるわけではなく、借りたものを返すだけの処理をします。
もし、お金を返さずに経費になるのであれば、お金を借りたときにも売上にあげなければいけません。
都合よく売上にはせず経費にだけするということはできないのです。

以上のことを踏まえて決算前におすすめの買い物というのをあげてみます。

決算前におすすめの買い物。

次のようなものが、決算前にもし買うとおすすめです。

パソコン

今や仕事になくてはならないパソコン。
これを買い換えるというのは、1つの手です。
性能が高いものだと30万円を超えてしまい、一括で経費になりませんが、30万円未満なら一括して経費になります。
決算の3月31日に買って届いたとしてもです。

パソコンを買い換えれば、確実に速くなりますし、時間をつくることができます。

また、大きさが違うパソコン、OSが違うパソコンを買ってみるのも手です。

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スマホ

スマホも仕事になってはならないもの。
買い換えれば性能が上がり、処理が早くなり時間をつくることができるのです。
ただ、分割で買ってしまうと経費にできる金額は少なくなります。

SIMフリーで買うと、経費的にも好ましく、なによりも複雑な契約形態や違約金を気にしなくてよくなるのです。

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タブレット

タブレットは、パソコン、スマホとはまた違った魅力があります。
ペンを使え、使い勝手がいいiPadがおすすめです。

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タブレットにもできるPCもありますが、専用のタブレットをおすすめします。
いろいろ使った結果、専用のタブレットのほうがはるかに使い勝手がよく軽いです。

パソコン周辺機器

SDカード、外付けハードディスク 、USB C ケーブル、充電器、ディスプレイ、プリンター、スキャナー、マイク、プロジェクターなど周辺機器も見直してみましょう。
セミナー業をやっていくならプロジェクターを先行投資するのはおすすめです。

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音声認識入力やるならマイクも。

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AIスピーカーならディスプレイ付きがおすすめです。
この世界は体験しておかないと。

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まだ記事にしていませんが、モバイルディスプレイもあります。

勉強代

本、セミナー、コンサルティングなど自分の糧になるようなものに使うことも考えていきましょう。

 

気になっていたもの

「欲しいけど、ちょっと高いし・・・」
「気になるなぁ」
「一度使ってみたい」
と気になっていたものを買うというのも手でしょう。
思い切って試してみたいというものも買ってみることができます。

ただし買いすぎには注意です。
100万円の税金を0にするには400万円ほどお金を使わなければいけません。
何も買わなかった場合は100万円出ていくだけですが、400万円使って税金をゼロにしても400万円のお金が出て行ってしまいます。
差し引き300万円のお金を使ってしまうのです。

それならば基本は、黙って税金を払っておくほうが会社にも自分にもお金が貯まります。
これを理屈ではわかっていても腹落ちするかどうかというのが、独立後の試練の1つです。
迷ったら3回唱えましょう。
「税金払ってお金を貯める」
「税金払ってお金を貯める」
「税金払ってお金を貯める」
と。

とはいえ税金払った後は、一時的にお金が減って凹みますけど 。

 

売上の質を上げるもの

パソコンや勉強代は、売上を質を上げるものです。
その他、
・道具を変えてみる
・内装を変えてみる
・新商品や新メニューをつくるための投資をする
ということも考えてみましょう。

仕事の環境を整えるというのも大事です。
机を変えてみる、椅子を海外で見る、エアコンの調子が悪いから買い換えてみる、空気清浄機や加湿器を入れてみるといったようなこともできます。

大事なのは、売上の質を上げること。
売上の量ではありません。

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手続き関係

決算で利益が出るなら、オフィスの移転にかかる経費(敷金保証金を除く)を入れておくという考え方もあります。
会社の場合は、移転に登録免許税という税金がかかりますので(経費になります)、決算前にやっておくというのも手でしょう。
法務局の管轄内の移転であれば3万円、管轄外であれは6万円もかかります。

また会社名を変更するときにもお金がかかりますので、それを決算のタイミングでやっておくというのも手です。
私は合同会社から株式会社に変更するのを、決算で利益が出るときにやったことがあります。
(それだけが理由ではありませんが)
司法書士への報酬含めて15万円ほどかかりますので。
もちろん、これも決算前に手続きが終わるよう、逆算しなければいけません 。

 

社員旅行・決算賞与

人を雇っているのであれば、決算前に社員旅行に行ったり、ボーナスを出したりということもできます。
社員旅行は負担もありますので、さくっと決算賞与(ボーナス)がいいかもしれません。

ボーナスは、決算が3月として3月31日までに金額を決めて払っておけば問題なく経費にできます。
4月以降に払っても経費にできるルールもありますが、どっち見る払う3月に払っておきましょう。

なお、人を雇っている場合といっても、家族だけでやっている場合の社員旅行は、経費として非常にグレーです。
社員旅行は、福利厚生の一環としてやるものなので、福利厚生とは従業員に提供するものという考えがあります。
私の会社も社員旅行はありません。
自分ひとりしかいませんので。

ボーナスも、役員(社長である自分)に出すことはできませんし、個人事業ならそもそも自分に給料を払うことはできません。

 

必要なとき・欲しいときが買いとき

今回、決算前にあえて買うならこういったものがいいのでは?ということで記事にしましたが、あくまで「あえて挙げると」というものです。
必要なときが欲しいときが買いどきですので、決算まで待たずにそれを買うほうが、時間的なメリットは、はるかにあります。
スピード勝負ですので。

ただし、どれぐらいの金額まで買ってもいいのかというのがわからない場合も多いものです。
日々、経理をして、今どのぐらいの利益が出ていて、税金がだいたいどのくらいで出るか。
自分と会社(事業)にどれくらいのお金が残っているかどうかというのは、常々確認しておきましょう。

多くの場合、決算の月にあわてて何かやっても間に合いません。
ましてや決算が終わった後に、できることはほとんどなく、逆転の必殺技もないのです。
税金をこんなに払いたくないと思っても後の祭りですので、やはり地道な経理をすることが節税に一番つながるのです。
(世の中すべからく必殺技・魔法はなく、地道な積み重ねを腹落ちしておくと楽です。)

そして IT や勉強への投資、売上の質を上げることというのは、常に考えておき、やると決めたらすぐ動くことが欠かせません。
「決算まで待って様子を見てから」や「決算で利益が出そうだから」と考えているとタイミングを逃してしまう可能性があります。

常々タイミングをよくお金を使いつつ、それでも利益が出たときに、もう一歩何かないか考えてみるくらいが、ちょうどいいでしょう。

 

 



■編集後記

昨日は中学3年生の甥っ子と、勉強や進路について話ししました。
中間テストの問題は答えも見せてもらいながら、私なりの考えを。
勉強は大事だというのは、その時期にはわからないでしょうし、何ともいえないところではありますが。
英語が苦手で同じようなところばかり間違えるので、その対策と試してみてほしいことは伝えました。

「1日1新」

LPSX S2
カムタジア2019

■娘(2歳)日記

一緒に過去の写真をスライドショーで見ていたら、保育園内の写真が出てきました。
友達が出てくると、ちゃんとフルネームで答えられます。
全員ではありませんが、フルネームで言えるのはすごいなと。

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