「こんな基本的なことを書いたって」を捨てたから生まれた本。『新版 ひとり社長の経理の基本』重版。

『新版 ひとり社長の経理の基本』が重版となりました。
この本は、「こんな基本的なことを書いたって」を捨てたからこそ生まれました。

※『新版 ひとり社長の経理の基本』Kindle版 by Sony α7S  70-200mmF4

『新版 ひとり社長の経理の基本』重版

2016年8月に出版した『新版 ひとり社長の経理の基本』。
おかげさまで、5年たった今年も重版となりました。
5刷、15,500部です。
お買い上げいただいた皆様、ありがとうございます。

ひとり社長向けの経理の本というニッチな分野。
このテーマで本を書けたことは、本当にありがたいです。

本書のタイトルにもある「基本」。
その基本を意識して書きました。
「こんな基本的なことを書いたって」と思っていたら、この本は生まれていません。

「こんな基本的なことを書いたって」

私が何かを学ぶときに、困ることがあります。
・「これってどういう意味なんだろう」
・結局、何をすればいいのか
・もう一歩手前のことを知りたい
と。

いわば難しすぎるということもあるのです。

自分の専門分野だと、ついつい難しく書いてしまうもの。
というよりも、専門分野を磨いていくうちに、より難しいほうへ傾いてしまうものです。
知識やスキルのインフレともいえるでしょう。

基本的なことを学びたい方と、プロとの差は広がっていきます。
もちろん、プロに任せるという選択肢があり、そのほうが主流です。
だからこそ、基本的なことは、なおさら世から消え去っていきます。

自分でやりたいと思ったときに、その基本的なことが世から消えているのが困るわけです。

私が2010年にトライアスロンのスイムをはじめたころ、そういったことがありました。
25mも怪しかった私は、スイムを習いにいったわけですが、やはりうまくいきません。
いきなり泳がされて、ため息をつかれただけです。
足首がしなやかに動かないので、「けがしてるんですか?」と言われたことも。

私にとって基本的なことは、浮くこと。
たどりついた先生はそこから教えてくださいました。
そこができず、がむしゃらに泳いでも、うまくはなりません。

こういったことは幾度となくありました。

だからこそ、基本を常に意識していて伝えるようにしているのです。
しかしながら、その「基本的なこと」には、大きな壁があります。

それは、「こんな基本的なことを書いたって」(話したって)です。

 

誰に向けて仕事をするか

プロとして研鑽を積み、鍛えていく中、気になりがちなのは、同じプロ、同業です。
基本的なこと=かんたん、初歩的、プロがやるものじゃない
という位置づけだと、同業の目を気にしてしまい、それらを書けなくなります。

さらには、「こんな基本的なことを書いたって」誰も喜ばないと錯覚しがちです。

書くことでいえば、ブログやSNS、そして、さらに影響力がある本だと、なおさら基本的なことを書けなくなります。

私も昔は、「こんな基本的なことを書いたって」「こんな当然のことで本を書いて」と思っていたことがありました。
それは間違いだったのです。

そもそも誰に向けて仕事をしているのか、書こうとしているのか。
もちろん同業向けという場合もあるでしょう(それでも基本的なことは大事ですけど)。

お客様=基本的なことを欲する方に向けて書くのであれば、同業を気にしてはいけませんし、「こんな基本的なことを書いたって」と思ってはいけません。
お客様に向けて仕事をしているわけであり、お客様に向けて書くのですから。
仮に「こんなかんたんなことを書いて」と陰で笑われていたとしても関係ありません。
(そして、そうそう笑われていないものです。現に言われたことはありませんし。仮に何か言われたら「しらんがな」とこっそりスルーしましょう)

『新版 ひとり社長の経理の基本』は、独自の視点、ノウハウはあるにせよ、内容的には同業が知っている・できることです。
ただ、「こんな基本的なことを書いたって」を捨てることは欠かせません。

「こんな基本的なことを書いたって」を捨てるには、
・日頃からトレーニングする→「こんな基本的なこと」を発信する、繰り返しやることで刷り込ませる
・自分の腕を磨くことと、基本的なことを書くことを両立させる
・自分も基本的なことを学び、常に意識する
ということがおすすめです。

そして、何よりも基本的なことはいつまでも大事なもの。
基本的なことを大事にするためにも、「こんな基本的なこと」を伝えていく(書く、話す)鍛錬もおすすめです。
それ自体が、同業との違いにもなりえます。

もし、基本的なことを伝えたい、書きたいという方は、「こんな基本的なこと書いたって」に抗い続けましょう。



■編集後記
昨日は、税理士業、書籍執筆など。
HPまわりの整備も。

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とあること
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■娘(4歳6ヶ月)日記→Kindle『娘日記』
まだ(?)「パパと結婚する」と言ってくれています。
「覚えてる?忘れてるの?」と、たまに念を。
ママの隣に座ろうとすると、「パパは、もうママと結婚してるでしょ!」とも。
結婚がどういう位置づけかは謎です。

出版業

Posted by 税理士 井ノ上 陽一