資格を取ると本当に貧乏になるのか?私が税理士としてやっていないこと

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『資格を取ると貧乏になります』という本を読みました。税理士についてもかかれていたので、それについての意見を書いてみます。
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「一流の資格で一生安泰」なんて大ウソ!

帯には、「一流の資格で一生安泰」なんて大ウソ!とかかれており、弁護士、公認会計士、税理士、社労士のインタビューや取材内容が書かれている本です。

まあ、大ウソ!というよりも、最初から「一生安泰」とは思っていません。
時間を大事にし、自分のやりたい仕事をやっていくのは、どんな仕事だって難しいものですし、資格は関係ないでしょう。

私が税理士資格をとったのは、次のような理由があります。
・当時つとめていたところ(総務省統計局)を辞めたかった。
・独立を視野に入れていたので、独立できる資格をとりたかった。
(今思うと、起業という選択肢もありましたが、独立=資格としか考えてませんでした(^^;))
・数字とPCを使える仕事をしたかった(総務省での仕事でそれがあっているのではないかという仮説があった)

 

 

税理士の現状

税理士の年齢別構成は、次のとおりです。
60歳以上で過半数を占めます。
税務署を退職して税理士になっている方が多い(全体の3割ほど。一定期間つとめると税理士資格がとれる)、定年がなくずっと続けている税理士が多いことから、こういった年齢構成になっています。
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この状況をふまえて、本書の第3章に”爺ちゃんの茶坊主になれ”と税理士がとりあげられているのです。
本書に書いてる現状で、私がやっていないことについて、コメントしていきます。

 

私が税理士としてやっていないこと

価格勝負

“月5万円の顧問料が5000円以下に”
“クライアントが少ない若手が自分の売り込みのために、ホームページを続々、開設した。彼らは喉から手が出るほど客が欲しいから『格安」をうたいがちだ”

と、税理士報酬の低下についての現状がかかれています。
低下している状況はありますが、別にそれに追従していません。
価格で勝負していたら、勝てないからです。

税理士の仕事は、数をこなすことが難しく、少なくとも私は1人で20件、30件のクライアントをかかえることはできません。
効率化できる仕事はできるのですが、効率化できない考える仕事も多いですし、限界があるからです。
人を雇って任せようとしても、パーマンのコピーロボットのようなものはありません(^^;)

売上は単価×数で計算され、単価を上げるか、数を増やすかで売上が決まります。
税理士業は、数を増やして売上を上げるのにはむいていないビジネスと私は考えているのです。
だからこそ、独自の値付けをしています。

よく「相場」という言葉を目にしますが、気にしていません。他との違いを出そうとしているのに、相場は関係ないでしょう。
もちろん、買っていただいてこその価格ですけどね。。。

 

かかえこまない。ブラックボックスにしない

”税理士を追い込みつつあるのが、あのグーグル出身者が開発した”全自動会計”クラウドサービス「freee」の登場だ”

”記帳代行など会計の部分はあと5年持たないと思う”

「記帳代行」とは、レシートをお客様から預かって税理士側が会計ソフトに入力するサービスです。
昔は手書きで文字通り記帳をやっていので大変でした。
そのため税理士側が代行するサービスが通用したのです。
今はITやソフトが進化しているので、お客様側で十分できます。

これをやってしまうと、会社の数字の構造がわからなくなるという欠点もありますので、私はこれをやらないようにしています。

会計、経理、税金の知識も、ネットや書籍で公開されていますし、いつまでもかかえこんでいるには限界があるでしょう。
私自身、書籍やブログで、その知識を公開している側ですからね。
知識を提供しても、残る仕事はあります。かかえこもうとせずに、積極的に提供していくべきでしょう。

 

頼らない

僕ら若手は爺ちゃんの役に立って、少しでもそのおこぼれにあるチャンスをうかがうんです。

税理士は税理士会というのものに所属します。
その会にいけば、顧客を多く持っている税理士もいるので、若手はそこにいって交流することにより、お客様を紹介してもらえることもあるそうです。
事業承継問題を解決するはずの税理士が自身の事業承継に悩んでいるケースは多く、運良く、事務所全体を引き継ぐこともできるでしょう。
章のタイトル”爺ちゃんの茶坊主になれ”はこのことをいいます。

私は興味ありません。。。
十分な仕事量があるわけでもありませんが、そのおこぼれを狙うなら、顧客獲得の力を磨くことに使います。
(強がりですが(^^;))
仮に紹介してもらえるとしても、自分にあったお客様であるか、お客様が本当に気に入っていただけるかはわかりません。
事務所全体を引きつぐのも口で言うほど簡単ではないでしょう。

こんな本も出ています。
事業を引き継いでもらう側の視点でかかれており、非常におもしろかったです。
私も今からちょっとずつ準備しています(^_^)

集団で著書を出す

たとえ共著でも、帯が私の顔ですからね。インパクトがあります。お客さんや、これからお客さんになって欲しい人のところに持って行いき、「いや、共著なんですけど、こんな本書いています」といって差し出せばすごい信用になる。新規で迷っているお客さんなんて、一発で決まっちゃいますよ

・・・あまりかけませんが、税理士複数人で、自分で書いていない本に名前と写真を載せて出しているケースがあります。
それなりのお金がかかりますが、効果があるとは思えません。
本は、自分で書いてこそ、自分のノウハウで書いてこそ意味があるものでしょう。
そんなに信用になるのかなぁ。。と思います。
自分で3冊書いた私もそんな恩恵は受けてません(^^;)
(仕事につながったことはありますが)

 

まとめ

安易な価格勝負、かかえこみ、おこぼれに頼るなど上記のようなことは、お客様にとってもいいことではありません。
価格を下げて本当にいいサービスができるなら、それでいいのでしょうが、実態はそうではないでしょう。

そして何よりも、独立している税理士が、このようなことをやってはいけないと思うのです。
自分で自分の首をしめますし、今後独立する税理士のためにもなりません。

価格を下げ、知識を隠し、おこぼれをもらい、自分で書いてなくても名前を売るというのはラクです。
だからこそ頼ってはいけないものでしょう。

■ここからは税理士を目指す方へ
本書の内容はおおげさなものもありますが、実態がかかれています。
その実態をみて、「よし!」とやる気になるか?不安になるか?
税理士を目指している方には「よし!」と思っていただきたいです。

ただ、やりかたによっては、お金だけではなく時間も貧乏になるので気をつけなければいけません。
これは資格のあるなしに限りません。

工夫すれば、いくらでもやりようはあります。

そういう願いをこめて、毎日(平日のみ)、税理士を目指す方・税理士向けにメルマガ「税理士進化論」を発行しているのです。
現在700名ちょっとの読者の方に読んでいただき、今朝で831号でした。
登録はこちらからできます。無料です。
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【編集後記】
週末のトライアスロンに向けて、バイクのタイヤを交換。
ずいぶんへたっていました。
これで買い物は終わりです。土曜日の早朝に出発なので、今日から徐々に荷造りをはじめます。

【1日1新】
※詳細は→「1日1新」

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池袋焼き鳥屋

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