88日入院・売上58%減を経験しても、人を雇わない理由

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88日間の入院期間、売上は58%減りました。
またこんなことがあったときに、売上を減らさないため人を雇うという手もあるかもしれませんが、それでも私は人を雇わないことを選びます。

IMG_20190818_140032※車椅子を押してくれる2歳の娘 RICHO GRⅢ

 

88日の入院で売上58%減

交通事故で、突然88日間入院することになりました。
88日間の入院。ひとりしごとで、いざというときに備えてやっておいてよかったこと | EX-IT
誰も雇わずひとりで仕事をしているので、かわりはなく、その間できない仕事もあり、売上は前年より58%減っています。
主に減ったのはセミナー売上です。

さすがに入院中セミナーはできませんので(部屋に来ていただいたり、外出を利用したりしてできないことはありませんでしたが)、セミナー売上はゼロでした。
事故前に予定してお申込みいただいていたセミナーも中止せざるを得ませんでした。

売上100%減=ゼロにはならなかったわけですが、大きな痛手です。

考え方としては、
「こうならないように、人を雇っておいたほうがよかった」
「今後は人を雇っていこう」
というものもありますし、ちらっとは検討しました。

人を雇っていれば売上が減らなかった可能性

仮に私が人を雇っていて、仕事をすべて任せていた場合、今回のような売上減はなかったでしょう。
経営者として判断すればいいわけですので、病院にいてもその判断はできます。
(ましてや今回、大腿頸部骨折で右脚に体重をかけることができず、頭や手は無事でした。まあ、日替わりであちこち痛いはありましたが)
最後のチェックだけ病室でやればいいという仕事もあるでしょう。
メール、チャット、電話でいくらでも判断、指示はできますし、むしろ、指示も必要もないくらい、いわゆる「自分がいなくても回るしくみ」があれば、88日間入院していたって影響ありません。

税理士業で、決算書や税務申告書を最後の最後でチェックして提出ということはできます。

セミナーも、社員に任せておき、私は話さないようにしておく、つまり現場を離れていれば、会社としては売上にはまったく影響がありません。
役員報酬(自分への給料)も問題なく振り込まれるでしょう。

「だからひとりはリスクがある」「人を雇っておいたほうがよい」という考えもあるでしょうし、私もそれを想像しました。
「もし雇っていたら、どうなっていたか」と。

セミナーは任せられられませんが、セミナー中止の連絡や返金にはお願いできた可能性があります。
(むしろお詫びですので、自ら連絡したいものですが。今回実際しましたし)
税務顧問の仕事は私以外の誰かが入って成り立つかどうか。
一応は他の方に変わったとしたら、成り立たないつもりではいます。
替えのきかない仕事をしているつもりですので、替えがきく人を雇うということとは矛盾するわけです。
そして、自分の代わりになるような人を雇う(育てる)は、それはそれでかんたんではありません。

このブログも替わりはいません。
私が書いてるので、入院中も当然自分が書きましたけど。

本の仕事を他の誰かができるようにしておくというのも考えにくいものです。

「もし人を雇っていたら」と想像した結果、今の状態では人を雇っていても、何の解決にもならなかったかなと 。

入院中、逆に気を使いますし、仕事を準備しなければいけないでしょうし、給料は払い続けなければいけません。
もしオフィスを借りていたとしたら、その家賃も発生していたでしょう。
(コワーキングスペースの利用料は3ヶ月無駄になりましたけど。)

ひとりだったからこそ、雇っている人のことを考えずにすんでいますし、固定費(人件費、家賃)がかかっていなかったのは助かりました。

いざというときではあったのですが、ひとりだからこそ、よかった部分もあったわけです。

それでも人を雇わない理由

今回、いざというとき、万が一ということが起きましたが、それでも私は人を雇わないことを選びます。
次のような理由があるからです。

人を雇うのがむいていないから

何よりも私自身が人を雇わない理由は、むいていないからです。
ひとりがむいているというよりも、人を雇うことがむいていません。
自分でなんでもやりたいタイプですし、すぐ細々と変えたくなりますし、人を雇えば迷惑をかけます。

気を使って、自由に時間やお金を使えなくなるのは、以前、人を雇ったときにも感じました。
教えるのは嫌いではなく、むしろ好きで、仕事にしていますが、自分で雇って教えるとなると事情が変わってきます。
自分で雇っている限り、独立にはならず、私と同じ立場にはなりえません。
それならと、自分と同じく独立している・独立を目指している方をサポートしようと仕事の柱にしてきました。
そう考えると、雇う意味もなくなるわけです。

ひとりの効率化の道を極めたいから

効率化の道をとことん極めたいと思っていますので、人を雇ってその効率化を躊躇しないようにしています。
実際、人を雇っていたとき、今では考えられないくらい非効率なことをあえてお願いしていました。
(これは私の責任です)
自分で試行錯誤して効率化するよりも、人に任せて時間がかかっても確実にやっていただいたほうが楽だからです。
もちろんチームの効率化、組織ならではの効率化というものはありますが、どのみち私が得意とするものではありません。
ひとりの効率化を突き詰めるためにも、やはり人は雇わない主義です。
今回のような場合、作業部分は頼めたかもしれませんが、普段からITやプログラミングに任せているので、作業部分はほぼありません。

自分が現場を離れて仕事を任せておけば、いざというときも助かるでしょうし役員報酬は振り込まれます。
それを否定はしませんし、組織でこそできることだと思っていますが、自分がやりたいことではありません。
そもそも私が独立を志した理由の1つは、「現場を離れたくない」です。
独立しないでいると、多くの場合、経験を積むに従って、役職がつき、管理業務が増え、現場を離れざるを得ません。
独立すれば、「現場を離れない」という選択も自分でできます。

今回の入院で、少なからず現場を離れた、よくわからない方々に触れました。
最初の2週間ちょっといた病院では、毎朝、形だけ病室にくるので、それが苦痛で。。。でも絶対安静で逃げられなくて。
おひとりは、「もう大丈夫かな」「だいぶ治ってきたね」と適当にいい、足を触っていくのが嫌で……。
来る時間帯はだいたいわかってきたので、大きいヘッドフォンをしてみるとドアを開けた後、入ってこなかったので、無事逃れられました。
ヘッドフォン作戦が効かなかったら別の手を使っていたでしょう。

次の病院も、そういった偉い人はいて、ケガしたのは右、左?といつまでも聞いてきたり、足だけだっけ?とか、いつから体重かけられるの?とか。
一応、治療状況も把握すべき方で、データも見ておくべき立場の方でした。
このときは、もう車椅子か松葉杖で逃げることはできるので逃げていました。
悪霊退散(この時間帯は部屋に入らないで)の札が効かなかったので。

現場を離れて、こうはなりたくないなと思った次第です。
税理士業界でもこういった例を見聞きしてきた、見聞きしているので、それも相まって、「やっぱ現場は離れん」と。
もちろん、現場を離れることが悪いわけではありませんし、現場を離れてすばらしい方もいらっしゃいます。

 

「選べる」というメリットもあるから

替えのきかない、自分ならではの仕事をしたいとは思っていますので、何かしら違いを出そうとはしています。
そのうえで、万人には好かれないとしても、もしお役に立てるのであれば選んでいただければと思っているわけです。

ひとりだと、「担当者」という概念がなく、良くも悪くも選択肢がありません。
それがメリットでもあるかなと。
今回入院生活でもそのメリットというのは感じました。

88日間、多くの看護師さん、ケアマネージャーさん、理学療法士さんと接してきましたが、決して自分が選べるわけではありません。
この人がいいのになあと思ってもそういうわけにはいかず、ずっとこの人がいいといってもやはり他の人が担当するときもあるのです。
・最初にトイレを手伝ってくださった看護師さん(痛くない脚の角度も見出してくれました)
・私の笑いが消えていたので、無理にテンションを上げて入ってきてくれた看護師さん
・転院で困っていたとき、話を聞いてくれ、上に掛け合ってくれた看護師さん
・かちんこちんの脚を触りつつ「丸太」といいつつも、どうやったら回復するかを一生懸命考えて、出来うる限りのルール破り(いい意味で)をしてくれた理学療法士さん
・松葉杖になったとき、歩けるようになったときに、自分のように喜んでくれた理学療法士さん

私の記憶に残り、感謝し、今後もお願いしたい方々ですが、退院したらもう会えません。
もう一度病院へ行ったとしても指名できるわけでもなく、その方がいるとも限らないでしょう。
病院という組織ですし、しかたのないことです。

これが、それぞれの方が仮に独立して、自分ひとりで仕事をやっていれば、選ぶことができます。
(現実的には難しいのですが)

そして、直接お金を払えればと思うこともありました。
お金を払ったとしてもそれは病院に入り、給与という形でしかその方には届きません。

こういったことを考えれば、自分がひとりでいることは、意味があるかなと。
自分が合わなかったら選ばれません。
もし気が向いて合ったとしたら、選んでいただけますし、他の担当者が出てくることはありません。
お役に立てる限り、継続してサービスを提供できます。
寿命はありますが。
お金も直接受け取ることができます。
(そういった意味でも直接受け取らない紹介会社は使いません)

だからこそ、いつまでも(可能な限り)、現場にいて、自分を選んでいただけるようにしておこうと思っているわけです。

ブログやセミナー、個別コンサルティングなど、手間がかかること=現場を離れる道もありますが、私はそうしないつもりでいます。
(前述のとおり、変わり身は早いので、どうするかは自分でも読めませんが)

ひとり、人を雇わないとデメリットがたくさんありますし、今回のようないざというときに売上が減りますが、メリットもあり、メリットがある期間の方が多いわけです。

独立して今日で4418日目。
そのうちの88日間、いざというときがあっただけですので。
しんどかったですけど。
(フリーザ風にいうと、「今のはいたかったぞー」)
いざというときに備えすぎて、平常時に我慢しすぎるのも好ましくないものです。

ひとりのままいるか、人を雇うか迷っている方の参考になれば 。

 



■編集後記

映画館で2回観たアベンジャーズ・エンドゲーム。
昨日、4KUHDが届き、早速観ました。
もう泣かんだろと思っていたら、3回泣きましたわ。

FFⅧの発売日でもあり、早速プレイ。
きれいにはなっていますが、システム面がわかりにくいなぁと。
クセが強かったゲームだった記憶はあるので、もうちょっと我慢してすすめてみます。

「1日1新」

Switch ファイナルファンタジーⅧ リマスタード
4KUHD アベンジャーズ エンドゲーム

 

■娘(2歳)日記

昨日は、保育園へだっこして。
靴も履かずに。
そういう気分だったようです。

■リハビリ日記
娘をだっこすると、左足裏が痛むけど、なんとか。
プールに行って、歩いて泳ぐ。
大股で歩き、バタ足を多めに。
思ったより効果があるので、日々行きたい。
右足1本で立てないので、着替えが大変……(昨日は座って)

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