8%?10%?消費税の軽減税率導入・・。食料品の消費税率フローチャート[速報版]

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消費税が10%になるタイミングで、軽減税率(8%)が導入されます。
この軽減税率によって想定される経理上の問題点を考えてみました。
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※オフィスにて。DSC-RX100M3

追記:2019年10月1日から消費税率は10%へ

現状(記事執筆時。2015年12月17日)は、消費税率は8%です。
2017年年4月1日より、この消費税率が8%から10%に上がります。
(追記:2019年10月1日からという予定です)

ただし、次のものについては、消費税率は8%のままです。

・食料品(生鮮食品、加工食品。ただし酒類・外食をのぞく)
・新聞(定期購読契約によるもの。週2回以上発行されるもの)

プライベートでモノを買う場合には、お店が提示する消費税率、つまり代金を支払えばいいのですが、事業では消費税率が、8%のもの、10%のものに区別して経理をしなければいけなくなります。

食料品、新聞は消費税8%のまま

どういったものが軽減税率、消費税率8%のままになるかを細かく考えてみました。

テイクアウト

牛丼を店内で食べると、[外食]になり、消費税率は10%です。
テイクアウトすると、[食料品・加工食品]となり、消費税率は8%になります。

このプレミアムネギたま牛並だと、税抜きで445円。
店内なら消費税10%で、445+44=489円。
テイクアウトなら消費税8%で、445+35=480円
となります。
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店内かテイクアウトかは、テーブルや椅子があるかどうかで判断です。
立ち飲み屋だと、テーブルはあるので、店内=外食で消費税10%になるでしょう。

近くのスタバは、カウンターだけであり、基本はテイクアウトの店舗です。
ただ、3人ほど座れる椅子(ベンチ)があります。
その場でコーヒーを飲むと、消費税10%になり、テイクアウトなら8%です。

パン屋で疑問があります。
すべてテイクアウトにして袋に入れてもらい、店内で袋から出して食べる場合はどうなるのでしょうか。
クロワッサンは店内、食パンはテイクアウトという風にわけてもらうのはめんどくさいので、一緒にしていた場合、すべて8%になります。
これを区分けするとクロワッサンは10%、食パンは8%です。
店内で食べるつもりで消費税10%で払い、やっぱり食べきれなくて持ち帰る場合にそれは8%になりません。
それならば、最初からテイクアウトで8%にしておいた方がいいということになります。
こういった混乱は他にも起きうるでしょう。

コンビニは通常8%、食べるなら10%

コンビニでも、飲食コーナーがあり、トレイや食器を返却する方式なら店内=外食で消費税10%の可能性、通常どおり買えば消費税8%です。
アイスを買って椅子に座って食べる場合、弁当を買ってレンジでチンして食べる場合は8%になるでしょう。
区分けが難しいからです。

屋台は消費税10%

屋台もテーブルや椅子があるので外食で消費税10%です。
テーブルや椅子があるかどうかで判断なら、ヘタにテーブルや椅子をおかない方がいいでしょうね。
1人か2人が座れるくらいなら、撤去すれば、消費税8%で売れる可能性もあります。

出前

出前や宅配は、8%になります。
店舗に行って食べれば10%ですが、お取り寄せだと8%という区分けになるでしょう。

ルームサービスも8%です。
ただ、その場で調理するケータリングは10%となります。

おもちゃ付きお菓子

おもちゃ付きの菓子は、おもちゃが主体であるか、1万円超なら、消費税10%、そうでないなら消費税8%になります。
こういうのだと、おもちゃが主体なので10%でしょう。

酒は10%、ソフトドリンクは8%

スーパーで、お酒を買えば消費税10%、ソフトドリンクは8%です。
ノンアルコールビールは、8%ということになります。

現状の情報で、食料品関係でフローチャートを作るとこうなります。
※スペースの関係上、おもちゃ付きお菓子は除いています。
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コンビニ、キオスクで買った新聞は10%

新聞は定期購読で届けてもらえば8%。コンビニやキオスクで買えば10%となります。
定期購読の場合も、週2回以上発行するものに限って8%になります。
週1、月2、月1の場合は消費税10%になります。

消費税軽減税率による経理上の問題点

軽減税率で、経理上は次のような問題点が生じる可能性があります。

売上

消費税8%と10%で、売上を分けなければいけません。

レジ、システム、請求書発行ソフト、会計ソフト変更の必要があります。
経理上は、

テイクアウトで販売したなら、
現金 1,080/ 売上(消費税8%) 1,080
店内飲食で販売したなら、
現金 1,100/売上(消費税10%)1,100
とわけて経理しなければいけません。

2年前(法人の場合は、2期前)の売上高が5,000万円を超えるか、5,000万円以下かで経理方式を選択できるようになる予定です。
別途記事にします。

経費

消費税が8%と10%で、経費の処理を分けなければいけません。

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社外で打ち合わせなら消費税10%の処理になります。

会議費 1,100(消費税10%)/現金 1,100

社内で打ち合わせをやるときに、総菜や食材を買う場合は、8%になります。

会議費 1,080(消費税8%)/現金 1,080

新聞や雑誌、書籍を買う場合、

■定期購読の新聞
新聞図書費 4,509(消費税8%)/現金 4,509

■書籍
新聞図書費 1,750(消費税10%)/現金 1,750

■キオスクの新聞
新聞図書費 170(消費税10%)/現金 170

といったようにわけなければいけません。

新聞費、図書費と科目を分けるのも手でしょうね。

自分の事業でどのくらい影響があるかどうか、ざっくり考えておきましょう。

※なお、平成29年4月1日以降に消費税がかかる場合で原則課税のときにのみ問題となります。
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【編集後記】

『フリーランスのための一生仕事に困らない本』のタイ翻訳版の依頼をいただきました。
タイのフリーランス(どのくらいいるかわかりませんが)のお役に立てればうれしいです。

【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」

RistoranteSottol’Arco
アマン東京
人形町のお客様のオフィス

【1日1節】
時間術の本を1日1節書く。12月22日完了予定。
78/84(+1)

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