ひとり税理士が考える脱税と節税&フリーランス・ひとり社長におすすめの節税策。

脱税と節税。
脱税は犯罪で、節税は権利です。
税理士として、この違いについて考えてみました。
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※代々木と千駄ヶ谷の間にある東京税理士会。iPhone 6s

嘘をでっち上げたら、決定的な脱税

脱税と節税は、大きく違います。

「脱」には脱出、脱退など、逃れるという意味や解脱といった自由になるという意味があります。
しかし、税から逃れることはできません。
税は、生きている以上、どうしてもついてきます。

税から逃れるために、ありもしない経費をでっち上げるのは、脱税です。

・払っていないのに払ったことにして領収書をもらい、経費にする

領収書があれば経費になるというわけではなく、これをやると危険です。

「脱」には、脱毛、脱色など、ぬく、とりのぞくという意味もあり、これも税についてはできません。
決定的な脱税には、この「ぬく」「とりのぞく」が該当します。

たとえば、
・売上をぬく。売上がなかったことにする。売上をふところに入れる
というのは、脱税です。

「税金を払いたくない」という気持ちはわかりますが、この2つだけは、やらないようにしましょう。
その他、法の穴をつく脱税もありますが、多くの場合、この2つが脱税の手口です。

・ないものを経費にする
・売上をなかったことにする

これらを1円でもやってしまうと、どんどん金額が大きくなってしまいます。
レシートだけもらう、払っていない領収書を経費に入れるも、脱税に入るので気をつけましょう。
もし、払った分より大きい金額の領収書・レシートをもらったら、払った分だけ経費に入れれば大丈夫です。

手放しですすめられる節税策

一方で、節税とはどういったものでしょうか。

「節」には、みさお、区切りといった意味があります。
「脱税との区切りをつける」というのが節税にふさわしい意味とも考えられます。

・ないものを経費にする
・売上をなかったことにする
以外の部分で工夫して税金を減らし、お金を増やすのが節税です。

フリーランス・ひとり社長向けに手放しですすめられる節税策を挙げてみました。

きちんと経費にする(両方)

経費にするべきものはきちんと経費にするのが基本です。
日々経理をしないと、経費がもれてしまうことも増えてしまいます。
クレジットカードで払ったものも経費に入れるのを忘れがちなので注意です。

個人的なものと事業の経費との区別も、自分なりにルールを作りましょう。
「何が経費になるか」『何が必要か」というのを一番知っているのは、事業をやっている自分自身です。

【関連記事】トライアスロン合宿の宿泊代は経費?自分で経費の基準を決めておこう |EX-IT
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「ばれないだろう」「うちみたいな小さいところに税務署はこないだろう」といった基準はおすすめしません。

・自分へ報酬を出す(ひとり社長)

会社を作って、代表者の自分に報酬を出します。
その分は、会社の経費になり、受け取る給料は税金上の優遇があるので節税になります。

・社宅を借りる(ひとり社長)

会社名義でマンション等を借りて、社宅にすれば、節税になります。家賃の一部(計算によります)を会社の経費にできるからです。
家賃が安くなれば、自分の給料を下げることもでき、個人の節税にもなります。

・出張手当(ひとり社長)

出張に関する規程(代表取締役が出張したらいくら出すといったもの)を作り、会社に保管しておけば、出張時に手当を出せます。
出張手当は会社の経費にでき、受け取る個人も所得税がかかりません。

・まだ支払っていない経費を入れる(両方)

12月が決算で、12月の経費だけど1月に払うようなものがあれば、経費に入れることができます。
かき集めると結構な金額になることも多いので、きっちり集めましょう。
社会保険料(健康保険、年金等)の会社負担分もその1つです。

・30万円未満のものは経費にする(両方)

青色申告していれば、30万円未満のものは経費にできます。
減価償却せずに、消耗品費としてすべて経費になりますが、1事業年度に300万円という限度です。
(10万円超30万円未満のもののみでカウント)
まあ、ひとりなら、こんなには買わないでしょうけどね。
私も300万円には到底届きません。

以上のものは、私もやっています。

※人を雇っている場合は絶対的にこの節税はやるべきです。
【関連記事】雇用促進税制・所得拡大促進税制。人を雇った場合の2大節税入門 |EX-IT
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条件付きですすめられる節税策

条件付きですすめられる節税策もあります。

・身内に給料を払う(両方)

身内に給料を払うことで、その分を会社の経費にできます。
自分の給料を減らし、分散することで全体の節税も実現できるのもメリットです。
月30万円を1人に払うよりも、月22万と月8万円に分けた方が節税になります。

月8万円(87,000円)にするのは、
・源泉所得税をとらなくていい範囲(月87,000円)に収まる
・年96万円になり、所得税の扶養の範囲(年間103万円)、社会保険の扶養の範囲(年間130万円)に収まる
という理由からです。

ただし、フリーランス(個人事業主)の場合は、事前に届出書(いくら出すか)が必要で、一定の時間以上かつ、実際に仕事をやっているかが条件となります。
ひとり社長(会社)の場合は、役員にする手もあり、届出書も必要ありません。
(ただし、多すぎると指摘されます。何もしてないのに30万円も出すと危険です)

・小規模企業共済(両方)

国の制度です。
個人で入るもので、フリーランス(個人事業主)、ひとり社長のどちらでも入れます。
月7万円、年84万円まで掛けることができ、個人の税金から全額控除できます。

ただし、お金は出ていきますし、基本的に事業を辞めたときやなくなったときにしか受け取れませんし、任意解約の場合、減額されるので注意が必要です。

掛け金を変更できるので、そのときの業績によってかけることができます。
(私も入っています)

銀行が窓口なので相談してみましょう。

・個人型確定拠出年金(両方)

国の制度です。
フリーランスの場合、月68,000円、ひとり社長の場合(厚生年金加入の場合)、月23,000円まで支払え、個人の税金上全額控除されます。
受け取り時も税金で優遇されているものです。

金融機関が窓口で、商品や手数料が異なります。
私が入っているのは野村證券です。

生命保険(ひとり社長)

個人の場合、生命保険は、最大12万円までが経費になります。
12万円が経費なので、税金で減るのは、12万円×税率です。

会社名義で入れば、経費にすることも可能です。
ただし、
・必要かどうか
・納得がいくかどうか
を十分考えてから入りましょう。

上記の2つを満額入りつつ、いざというときのリスクヘッジも考えて金額を決めるといいかと思います。
【関連記事】フリーランス・ひとり社長の「守り」。病気やけがで働けなくなったときに備えてやっていること |EX-IT
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・経営セーフティ共済(両方)

国の制度です。
月20万円まで掛けることができ、最大800万円(40ヶ月)まで積み立てることができます。
倒産の危機になったときは、その掛金の10倍を借りられるという制度です。
もちろん、そのメリットもありますが、月20万円までを経費にできるのがポイントで、年払いもできます。

「あ〜税金出ちゃうなぁ」というときに、月20万円×12=240万円をさっと個人事業や会社の経費にできるのです。
40ヶ月以上たてば、解約しても100%戻ってきます。

ただし、次の点に注意しましょう。
・お金を使いますし、その後も払い続けなければいけない(掛金の減額はできる)
・解約して戻ってきたときは、収入となり、個人事業や会社の税金が増える

銀行が窓口なので相談してみましょう。

モノを買う

最もポピュラーな節税でもある買い物。

本当に必要かどうかを考えて、買いましょう。

【関連記事】100万円の税金を減らすには412万円の買い物が必要。決算間近の買い物での節税をおすすめしない理由 |EX-IT
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その他

その他、いろいろとありますが、大事なのは、「節税になるから」という理由でやらないことです。
「節税になるから」で、どんどん欲が出てくると、「脱税」につながるような気がします。

好きなことで収入を得て、好きなこと(かつ客観的に経費になる理由があるもの)を経費にして、残ったら税金を払うってくらいがちょうどいいです。
「好きなこと(かつ客観的に経費になる理由があるもの)を経費」というのが一番の節税であり、ひとりビジネスだとそれをやりやすくなります。

書籍や学び、PCを経費にできるのはうれしいです。
(もちろん事業に関係のあるものだけですが)

確かに、税金って痛いですけど、つかまったら意味がないですからね。

 

 

 





【編集後記】

最近、ネットで購入して見ていたアンフェア(ドラマ、映画、スペシャル)。
昨日は、完結編の映画を観てきました。

最初に放映されていたのは10年前なので、出演者も自分も年月の流れを感じます。
ようやく完結しましたが、いいまとめ方でした。

【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」

代々木パン屋 purukuru
代々木ビレッジ
Caffice
アンフェア the End

【1日1節】
時間術の本を1日1節書く。12月22日完了予定。
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