税理士業界の呪い「確定申告という繁忙期」がなくなりつつある話。独立後の呪いに抗うことのすすめ。

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税理士業界は確定申告という繁忙期があるのが歴史であり常です。
私はそれに疑問を感じ、抗っており、そんな流れが少しずつ広がっています。
業界の呪い、そして独立後の呪いに抗っていきましょう。
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※はなももマラソンのスタート前  iPhone X

税理士業界の呪い「確定申告」という繁忙期に抗う理由

税理士の仕事として確定申告があります。
ここでいう確定申告は、所得税の確定申告です。
法人税、相続税、消費税なども確定申告なのですが、通常「確定申告」というと所得税の確定申告、個人や個人事業主(フリーランス)の確定申告をいいます。

この確定申告時期、税理士業界の繁忙期なんです。
繁忙期というと、書き入れ時とも考えられますが、むしろネガティブな要素も多く、税理士業界の呪いでもあります。
私はこの繁忙期に徹底して抗っているところです。
抗っている理由には、次のようなものがあります。

仕事が集中しすぎるから

確定申告の仕事のデメリットは、集中しすぎること。
1月1日から12月31日までの結果を集計して、税金を計算するのが確定申告であり、期限は3月15日です。
必然的に1月〜3月15日+αに集中します。
1月、2月にできればいいのですが、実質的には3月1日から3月15日に集中することも珍しくありません。

仕事が集中しすぎるのは、他の仕事へも影響がありますし、税理士は、そもそも顧問契約を結んでいるお客様がいらっしゃいます。
繁忙期だからといって、そちらをないがしろにすることもあるほどで、それはそれでおかしいなぁと感じるところです。

私も、確定申告だけが仕事ではありませんので、バランスを考えています。
確定申告の仕事を数多くやれば、売上は確かに増えますが、失うものも多いのです。
時間がなければ、新しいこともできませんし、勉強もできませんし、営業もできません。
繁忙期だからといって、新しいこと、勉強、営業をとめてしまうと、そのダメージは年々積み重なるでしょう。
1年のうち、3ヶ月〜4ヶ月、ときにはもっと長い期間、「仕事だけ」をしていることのリスクは計り知れないものです。

作業であるから

そしてその集中する仕事のほとんどは、作業です。
レシートや領収書を預かり、それを会計ソフトやExcelに入力して・・という作業があります。
時間がどうしてもかかるわけです。
数多くとっていては、時間がいくらあっても足りません。

そしてその作業をして得られるものも少ないわけです。

そもそも1年分のレシートを入力する仕事は、税理士だって時間がかかります。
1年分ですから。
しかも、ときには、経費であるかどうかの区別がつかないものもがさっと入っていたりもします。

入力作業はめんどくさく、だからこそ自分の経理は毎日やる主義です。
仕事だからといって、入力をやることは私にはできません。
今はレシート入力は一切受けないようにし、ご自身で申告したい方のサポート(数字のチェック、やり方のレクチャー)を仕事にしています。

腕が上がるかどうか基準で仕事を選んでおり、作業をいくらこなしても腕は上がりません。
作業をこなす腕なんて、AIやロボットにかっさらわれますので。
現に、クラウド会計ソフト、それ以前にネットバンクからExcelを経由して取り込みといった方法で作業は確実に減っていっています。

この時期も人生の一部であるから

繁忙期と言われる1月〜3月+αも人生の一部です。
その期間にもイベントはありますし、休みもあります。
冬の時期はマラソンもあるので、仕事だけをやっていたら楽しめません。
練習や調整も必要です。

今年は、育休中の妻と0歳の娘と過ごせる貴重な時期でした。
もともと繁忙期でなかったので、ハワイに11日間行ったり、沖縄に行ったり、ディズニーシーに行ったりすることができています。

セミナーに行ったり、新しいスキルを身につけに行ったりもすることができました。

宿命だから

税理士にとって、確定申告が繁忙期なのは宿命かもしれません。
ただ、私は興味ありませんし、むしろそんな宿命に抗いたいのです。
独立後は、責任のもとに自由があるはずで、どんな宿命に沿って生きるかは自分次第ではないでしょうか。
職業、業界、時代のせいにしていては、自分の道を歩めません。

その私にも自分が選んだ宿命があります。
祖父も税理士でした。
私が税理士を志した理由の1つも祖父です。

その祖父は、私が7歳の頃、1979年に亡くなっています。
66歳でした。
その仕事ぶりを本格的に見ることはできませんでしたが、両親に聞くと、
・確定申告時期はめちゃくちゃ忙しかった
・家族総出で手伝っていた
とのことです。

その忙しさを見ていた、母を含めて子供4人は、誰も後を継ぎたくなく、それぞれ会社員と結婚しました。
自宅のそばで仕事をしていた故に、その仕事の大変さを見ていたからでしょう。

結果的に誰も後を継ぐこともなく、病状が急に進んだこともあって、税理士事務所は1代で終わりました。
当時は、紙の時代で税理士の仕事が今よりも手間がかかっていたのは確実です。
ただ、「時期が集中する」「作業」といった特性は今も昔も変わらないものでしょう。

税理士を志したとき(何度もくじけ、本格的に志したのは27歳)は、この繁忙期との戦いを決めていました。
その当時で、Excel、PCを使って効率化していたので、税理士として独立してもなんとかなる、いやなんとかすると考えていたのです。

繁忙期がなければ、祖父は、もっと長生きできたかもしれません。
だからこそ、繁忙期に飲まれないようにするのは、私の宿命であり、覚悟です。
(そして仇討ちでもあります)

祖父と私(1歳)
かわいらしいけどでかい…。

祖父が亡くなってから、28年後の2007年。
孫の私が独立しました。
独立して食べていかなければいかない反面、繁忙期対策はしなければいけなく、工夫を重ね今に至っています。
マラソン、トライアスロンをはじめたことも拍車をかけました。

税理士と志すときも独立したときも両親や叔母からは、「大変な仕事大丈夫かいな」と心配されていましたが、ブログで発信していることもあり、冬に遊んでいることもあり、ここ数年は繁忙期の心配もしなくなっています。

そして、祖父が亡くなってから38年後、独立して10年後の2017年の3月12日に娘(祖父からするとひ孫)が生まれました。
繁忙期といわれている真っ只中に。
もし繁忙期に飲み込まれていたら、出産にも立ち会えなかったかもしれません。

このように繁忙期に抗いつつ、ひっそりとメッセージを発信しています。
税理士だからって繁忙期になる必要はないと。
やりようはあるよと。

メルマガ「税理士進化論」や本で発信しています。

ちょうど今朝、この本の重版が決まったとのメールをいただきました。

3月11日に税理士4人のフルマラソンデビューが実現した話

そして、今回の繁忙期とやらの3月11日。
その税理士の仲間4人とフルマラソンに参加してきました。
しかも、4人ともはじめてのフルマラソンです。

繁忙期だったらとても挑戦できません。
時代は変わりつつあります。

とあるコミュニティに「3月11日のマラソン出るひとー?」と告知したのが、11月17日。

集まって最初の練習、飲み会、情報交換をしたのが、12月15日。
まあ、すでに繁忙期に入っているところは入っている時期です。

あ、ちなみに、人を雇って仕事を任せていれば繁忙期はなくすこともできますし、マラソンにも行くことができます。
ただ、それをやりたいかどうかは別の話です。
雇われないかつ雇わないことを提唱しているのは、人の上に自己実現をしたくないからでもあります。
今回の4人は、みなひとりです。
任せる人がいないので、自分でなんとかしなければいけません。

1月21日には、前哨戦として30kmマラソンに全員で参加しました。
そして、迎えた3月11日。

たった1日と思わえるかもしれませんが、マラソンは準備や練習も必要ですし、買い物もしなければいけません。
プラスαで時間をつくらないとなかなかできないものです。
ましてやはじめてのフルマラソン。
気持ち的にも仕事をすませておかなければ臨めません。

みな家族もいるので、日曜日にマラソンに行くためにその前後に懺悔も必要です。

はじめてのフルマラソンだと、翌日、翌々日プラスアルファ、歩けませんので、マラソン後にもびっしり仕事を入れていては厳しいでしょう。
みな、翌日は外出の予定を入れてなく、温泉行ったりケアに行ったりしている方もいました。
すばらしいです。

繁忙期に抗いつつ、スタート前に撮った写真。
変なのが1人混じってますが。
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フルマラソンを走ると決めていたモロトメさん。
11月に飲み会で一緒になったときに、「3月にこういうマラソンがあるんですけど、モロトメさんが出るんなら出ますよ」と、やんわりとボールを投げておきました。
そこから2日後、「やります!」と。
熟考した末の力強い言葉でした。

「絶対に歩かない」を決め、実践しているのがすばらしく、反省するばかりです。
10km、20km(ハーフ)、30kmと、着実にステップを踏み満を持してのフルマラソン、見事完走でした。
「コスプレすると応援もらえるのでおすすめですよー」との私の声にも反応し、ヤンキース松井で出場。
いい応援ももらえたようです。
初フルマラソンを完走!第6回 古河はなももマラソン【RUNレースレポート#08】 | 融資×経理でシゴトを強く|モロトメジョー税理士事務所 | 横浜

けがを抱えながらの出場、前日も風邪を引いていたという林さん。
仕事量も結構多いだろうに、調整してこの日に臨んでくださいました。
練習でも、事前の30kmマラソンでも速くポテンシャルは一番かと。
ただ、ひざのけがを抱えており、ひざが持てば・・と願っていました。
レース中、2回めにすれ違ったとき、すでに痛そうで脚を引きずっていたので心配でしたが、なんとその後20kmも歩いてゴールを目指したとのこと。
そのガッツにびっくりでした。
残念ながら30kmでリタイアとなりましたが、ひざを治してまたチャレンジすることに闘志を燃やしています。
(次回も一緒に走れればと思っております)
古河はなももマラソン敗北記~マラソン最後尾から見える景色~ | YSK Consulting 林義章税理士事務所

「実は敵前逃亡2回やったことあるんです」と今回のレースに手を挙げた前川さん。
申込んだけどフルマラソンに出なかったということが2回あるそうです。
満を持しての完走を果たしました。
最初に練習したときに、実は最も失敗だったのが前川さん。
ランニングフォームがよくなく、走るのがつらそうだったからです。
そこで、私も行っているマンツーマンレッスンを紹介したところ、劇的に改善し、30kmマラソン、今回のマラソンを乾燥しました。
あきらかに重心が高くなり、いいフォームになっていたのです。
もちろん、フォームを習った後の練習がモノを言ったのでしょう。

フルマラソンデビュー戦にして引退レースか?!古河はなももマラソンを走ってきました

そして、めがね税理士こと谷口さん。
フルマラソン挑戦前から、「ランニングに向いてますよね」と語りかけていたほどのスリムさ。
全体重の割合からすると、そのめがねの割合って結構なもんじゃないかと思うほどです。
そのスリムさ故か、ひざを故障。
事前の30kmレースも4kmほどでリタイアとなってしまいました。
ひざ(正確にはひざの外側の腸脛靭帯)は、走り初めの頃は必ずといっていいくらい痛めます。
私もやりました。

ひざ大丈夫かなと心配する一方、このスパルタンレースにも出たガッツがあれば、なんとかなるかなと思っていたのも事実です。

そして、迎えたレース、最初のうちはすれ違うことができましたが、その後は見当たらず。
私がゴールしてアプリで現在位置を確認すると、順調に走っています。
そのアプリ「応援ナビ」では、予想タイムも出て、それを見ると、制限時間5分前にゴールする予定でした。
こういうところも、持っています。
39kmで、残り3km!と待ち構えていると、レーダー上の谷口さんがそこから動きません。
そこで残念ながら時間切れでした。
それでも、事前の4km+39kmで実質的完走というネタをつくるところがニクいです。
人生初のフルマラソン、実質的に完走しました!  あくまでも「実質的に」ね! – 100メガ

独立後の呪いに抗おう

フルマラソンは、練習や準備に時間がかかって、朝5時、6時に家を出て、電車に2時間ほどゆられて、そこで4〜6時間運動して、みんなで風呂に入って、飲んで食って、夜に帰宅して、翌日も体が痛くて・・と、非効率極まりない遊びです。
その遊びを繁忙期にできるというのは、独立後の呪いに多少抗えたかなとは思っています。
自分だけではなく、そういう輪があるのはうれしい限りです。
もちろん、マラソンに限りません。
この繁忙期とやらの時期に、ブログを毎日(平日毎日)書いている方もたくさんいらっしゃいます。

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独立後にその業界独特の呪いは、いろいろとあるでしょう。

・自分で値段を決められない
・土日なんて休めない
・夜も仕事しなきゃいけない
・人を雇わなきゃいけない
・オフィスをかまえないといけない
・下請けばかりをやらなきゃいけない
・年度末は休めない
・月末(月初)は休めない
などなど。

しかたない、こういうもんだと済ませず、こういったものに抗って、自分の生き方を自分で定義していきましょう。
業界の中では、変なふうに思われるかもしれませんが、業界のために仕事をしているわけではありませんからね。
そもそも、業界内で違いを出さなけれいけない以上、ちょっと変なふうなほうがちょうどいいはずです。


【編集後記】

昨日はお客様先で月次の数字のチェック、打ち合わせなど。
スーツ&コートで出かけてしまい、暑くて。。。
帰りは、ゆりかめもが止まっていて(停電)、乗換案内を見て気づいたのが幸い、バスでロスなく帰れました。

【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」

家族で、あそびパーク
振込ロボット
弥生取り込みロボット

【昨日の娘日記】

保育園のあとに合流して、家族で、あそびパークというところへ。
アスレチックやおもちゃがあり、10分100円で遊べるところです。
そこにあるロディ(乗れる小さい馬)に夢中でした。
(推奨年齢3歳ですが)

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