・税理士を目指す前に考えておいた方がよい6つのこと

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税理士受験生からの相談窓口やメルマガ「税理士進化論」をとおして、いろんな相談を受けます。
その中でも多いのが、「これから税理士試験を受けようかと考えていますが、どう思いますか?」というものです。
私の現時点での基本的な考え方をまとめてみました。
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【今日のテーマ】
・税理士を目指す前に考えておいた方がよい6つのこと
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1 投資に値するリターンを得ることができるか?

時間又はお金を使う物事は、すべて「投資に値するリターンを得ることができるか?」という視点が必要です。
税理士試験には、次のようなものを投資しければいけません。
・お金(学校の受講料、専念する場合は生活資金等)
・時間(学校の授業、勉強時間等)
さらには、もし受験に費やしたお金と時間を別のことに投資していたときに得られる効果も失います。
私の場合、2000年の6月末に仕事を辞め、2001年9月4日まで受験に専念、その後税理士事務所に勤めました。
その事務所を2002年4月20日に辞め、再度受験に専念しています。
(その年の合格確率を上げるために専念するという選択をしました)
EX-IT
専念期間は約1年9ヶ月。その期間は収入がなかったわけです。
当時、手取りが月20万円ほどと考えると、約420万円の収入を捨てて、受験をしていると言うことになります。
この27歳~29歳の期間の貴重な時間を受験に専念するのは、大きなリスクもあったわけです。
同じお金と時間を投資すると考えたときに、本当に受験に投資するのが正しいのか?を考えるべきだと思います。
なお、税理士資格取得までにかかる期間は平均9年と言われています。
2 税理士業界の現状
税理士業界は、おおむね給料が安いです。
修業時代という位置づけがあるためか、それほど高い給料にはなりません。
私が2001年9月にはじめて就職した都内の税理士事務所は、手取り16万円ほどでした。
当時、28歳、税理士事務所の経験なし、受験経験は簿記・財表・消費という状況です。
そこは残業のない事務所だったので、受験の時間を確保したい私としては意味がありましたし、採用していただいただけでも幸運でした。
この状況は今もさほど変わらない気がします。
給料が安くても、残業がなければいいのですが、勉強時間を確保できないほどの仕事量である可能性もあります。
働きながら受験勉強するということは敷居が高いものだと思います。
受験をくぐり抜けてきた方々は、「働きながら1科目ずつとれば大丈夫」と決して言わないのではないでしょうか。
3 5つそろわなければ意味がない
税理士資格は、5科目の試験に合格することが必要です。
(科目は一部選択できます。また一部の科目を免除できる制度もあります。)
言い方を変えれば、5科目そろわないと意味がありません。
(事務所によっては、合格科目によって給料が変わるところもありますが、それほど影響がない額です。
私がいた事務所は、1科目合格していれば、月5,000円~1万円でした。)
5つそろうまで、投資を続けなければいけないわけです。
最後の1科目となるとプレッシャーもかかります。(少なくとも私はそうでした)
この試験制度は、受験期間が長期化する原因の1つだと思います。
4 試験合格の資質と独立後の資質は違う
試験に合格するために必要な資質と独立後に必要な資質は違うと思います。
これは肌で感じていることです。
独立すればゴールというものではありません。
一昔前の、だまっていれば税理士事務所の門をたたいてくれる時代ではありません。
ましてや、ネット広告でみなさんもご覧になっているように格安事務所(本当に安いかはそれぞれのケースによる)や税理士紹介サービスも出てきています。
(逆に私はいい時代だと思っています)
こういう状況を視野に入れつつ、資格を取得していかなければいけません。
5 独立を目指すならば
「独立したいから税理士」
私もそう思っていた時期があります。
しかし、よくよく考えてみると、独立するのに必ずしも資格はいらないわけです。
投資とリターンを考えば、資格なしで独立する方が好ましいでしょう。
独立を目標にするならば、他の選択肢も考慮すべきです。
6 税理士はずっとできる仕事?
「税理士はずっとできる仕事」
これもよくいわれることです。
年齢ともに、思考力、体力、気力はどうしても衰えていきます。
毎年の税制改正、システムの進化についていけなくなる時期がいずれ来る可能性があります。
(雇っているスタッフに仕事を任せればいいと考えもあるでしょうが・・・・・・。)
必ずしもずっとできる仕事とは言えないと思います。
税理士を目指すと言うことはそれなりのリスクがあります。
私自身はかなり幸運でした。
ただ、リスクを怖れてばかりいては何も始まりません。
リスクをコントロールしつつ、挑戦することも必要だと思います。
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【編集後記】
昨日、Macのバックアップ用にTimeCapsuleというものを買いました。
無線LAN搭載のHDDで、Macの自動でバックアップを取ってくれる機能と組み合わせると非常に便利です。

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