お金を出せば本を出せる「共同出版」という誘惑。自分のコンテンツを書くことこそ出版するメリット。

本を書くのは楽ではありません。
それでも書くのは意味があり、メリットがあるからです。
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※自宅にて iPhone 7 Plusで撮影

本を書くのは楽ではない

先週から新刊のチェックをしています。

本が出るまでの流れは次のようなものです。

1 企画(出版社の編集者さんからの相談又はこちらからの提案)

2 出版社にて企画会議→出版が決まる

3 原稿を書く(Wordその他のソフトで)

4 原稿を提出し、編集していただき、、本のレイアウトに流し込んでいただく(この状態をゲラといいます)

5 ゲラをチェックする(赤字を入れ、加筆する)

6 チェックを反映

7 製本し、本として発売

今はこの5の段階をやっています。
5と6を通常2回、多くて3回やることが多いです。
1回目のゲラチェックが最も重要かつボリュームがあります。

その他、1から6までの間に随時打ち合わせやメールでの連絡があり、多くの方の力を合わせて出版までたどり着くわけです。

今の本は、「こういう本はどうだろうか?」と話し合いだしたのが、2015年の12月。
そこから1年4ヶ月ほどたった今、ようやく5の段階に来ているわけです。

今回で、9冊目。
この過程を繰り返すのは9回目です。

本を出すのは決して楽ではありません。

共同出版なら楽に本を出せる

そんな中、世にはおいしい話があります。
・企画はすでにあり、確実に本を出せる
・本を書かなくていい
・打ち合わせをしなくていい
・どうすればいい本になるか考えなくてもいい
・ゲラをチェックしなくていい
・本の売れ行きを考えなくてもいい
・プロフィールと写真を準備すれば、本の帯に入れてもらえる
・本を出したことにできる
・信頼を得られる
・宣伝になる
というものです。


------※この記事は、投稿日現在の状況、心境、法律に基づいて書いています。---------

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それは「共同出版」。

手間をかけずに、本を出すことができます。
共同出版の誘惑には、こう書いてあることが多いです。

「本の出版は信頼を得られます」
「商談の際に使えます」
「HPで宣伝できます」
「ブランディングに使えます」
「大型書店に並ぶので宣伝効果抜群です」

そのかわり、お金がかかります。
地獄の沙汰もなんとやらです。

共同出版をやる会社にもよりますが、50冊で30万円、100冊で40万円、500冊で100万円といった費用がかかります。
印税は当然もらえません。

この費用を出すのは、共同出版に参加する側。
たとえば50名からこの費用を集めて、出版費用(原稿を書く、チェック、印刷、配本、販売など)を賄うわけです。

そのお金を払えば、身を削って手間をかけて心をこめて本を書くことをせずに、本を出せます。
50万円、100万円払ったとしても、それで信頼を得ることができ、仕事をとれれば元はとれるでしょう。

本を書く意味・メリット

商業出版・自費出版・共同出版の違い

出版には、通常の出版(商業出版)と自費出版があります。
この違いは、印税をいただけるかどうか、つまり本を書くことを仕事にできるかどうかです。

共同出版は、その間のようなもの。

自費出版はお金を払いますが、自分で本を書きますし、チェックもします。
(通常の出版も自費出版も、話したことをライターが書くケースもあります)
共同出版は書きません。
というよりも書けません。
本の内容も自分のコンテンツではなく他人のコンテンツです。

帯には自分の写真やプロフィールが入りますが、書店やamazonで売られるものには入らないこともあります。
それならばと、「うちは、帯ではなく本に印字します」という誘惑がある会社もありました。
Amazonでは、十数人の著者が並んで表示される場合もあれば、「中小企業の会計を考える会」「IT研究会」などと表示されます。

自費出版だと、400万円、1000万円とかかる費用も、共同出版では「自費出版より安く出せます」「自費出版の1/10」という誘惑が多いです。
たしかにそうかもしれませんが、比較対象は商業出版であるべきでしょう。

商業出版はプラスの世界、自費出版、共同出版は、マイナスの世界なのですから。
EX IT 1

それぞれこのような違いがあります。

商業出版 自費出版 共同出版
原稿 自分で書く 自分で書く 書かなくていい
ゲラチェック する する しなくていい
打ち合わせ 必要 必要 不要
内容 自分のコンテンツ 自分のコンテンツ 他人のコンテンツ
書店 並ぶ 並ぶ 並ぶ
印税 あり なし なし
費用 なし あり あり

本を書く意味とは

なぜ本を書くのか。

もちろん、お金、売上という要素もあります。
ただ、印税生活というような話は夢です。

そうであれば、他にもメリットないと書けません。
その1つと考えられるのは、宣伝効果。
ただし、宣伝だけを目的として書いたら本は読まれませんし売れません。
何よりも最初の企画も通らないでしょう。
たとえ宣伝できたとして仕事が殺到したとしても対応しきれません。

私は宣伝効果を副次的なものと考えています。
本を読んでいただき、それで問題解決すればそれでかまいません。
ブログも同じ気持ちです。

・自分の仕事(1対1)
・自分の仕事(1対多)
・本
・ブログ、メルマガなど
というメニューの階層を考えており、それぞれは独立したものです。
ブログ、メルマガだと無料、本だと1,000円から2000円、実際に会うならばいくらと値段設定の階層を作っています。
必要な方へ必要なだけ届けばいいと考え、何が何でも有料と考えていません。
こういうスタンスの方が、書く仕事や話す仕事に全力を出せるのです。
続きは有料で〜となると、出し惜しみしなければいけません。

宣伝効果とだけで割り切るなら、共同出版も1つの手でしょう。
多くの方の力を借りる出版。自らの宣伝だけで本を書くのは忍びないです。

ただ、その共同出版で得た信頼(のようなもの)で仕事を依頼されたとしても、果たしてそれが意味があるのかどうか疑問はあります。
自分のコンテンツではないからです。
コンテンツ、自分の考えや思いを伝えられるのが、本を書くメリットでもあります。
誰でも書けることに自分の冠をつけても意味はありません。
依頼していただいたお客様、喜んでいただけるお客様への裏切りにもなる可能性があるでしょう。

つたなくても自分の言葉で書くことでこそ伝わるものもあり、私が書いた本でも、読んで行動していただいた方、本をきっかけに出会えた方がいらっしゃいます。
自分のコンテンツでなければこんなことは起こり得ないでしょう。
仮にあったとしても喜べるかどうかはわかりません。

また、本を書く過程で、自分のコンテンツを整理できるのも大きなメリットです。
本を書くことで私自身も勉強になり、覚悟を決めるようになりました。

この本を書いて、仕事の方向性を微調整し、仕事をより楽しむようになりましたし、

この本を書いたことで、ひとりしごとの経理についてさらに深く研究し、

この本を書いたことで、Excelをより好きになり、

この本を書いたことで、仕事のあり方、生き方を変えてきました。

自分のコンテンツを手間をかけて書くことが、本を出す意味であり、メリットでもあります。
編集者さんと企画を考えたり、原稿をもとに議論したり、時間を書けてああでもないこうでもないと苦労して書いたり、膨大な量をチェックしたりと、その過程は楽ではありませんが楽しいものです。
形だけの本など、意味がなく、甘い誘惑などなくなってしまえ!と思っています。
(自費出版も結構なお金がかかるのでおすすめしません)

自分のコンテンツを伝えたいと思うなら、それをブログに書いていきましょう。
そのブログが本につながる可能性は高いです。
私もブログがきっかけで出版につながっています。

共同出版だとこういった記事も書けません。


【編集後記】

秋のマラソン大会の申込が続々とはじまっており、10月の横浜、11月の大阪、神戸と3つ申し込みました。
すべて抽選です。
生まれ故郷の大阪は当たったことがなく、ぜひとも走りたいと思っています。

【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」

鶏がらで鍋
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【昨日の娘日記】

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最近手足の力が強くなって、泣いているときに蹴ったり、突き放そうとしたりとあなどれません。

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