消費税のインボイス制度、登録したけどやっぱやめたい、登録しようと思うけどやめられるのかなと思う方もいらっしゃるでしょう。
そのときの手続き、注意点をまとめてみました。
※いざ取りやめへ(イメージです。税務署に行く必要はありません) by Nikon Z9+24-120mmF4
インボイスを2023年10月1日までにやめるには
2023年10月1日から消費税のインボイス制度(以下インボイス。正式名称「適格請求書保存方式」)がはじまります。
この制度はこういったものです。
登録は任意で、登録すると次のようなことになります。
・消費税を請求できる(正確には請求しても問題が少なくなる)
・消費税を納めなくてよくても(2年前の売上が1000万円以下など)、消費税の確定申告、納税をしなければいけなくなる
・インボイスの公表サイトに氏名等が載る
登録するかどうか迷っている方もいらっしゃるでしょう。
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2023年9月30日までに結論を出せばよく、それを過ぎても、15日後には登録できるので、焦ることはありません。
ただ、一方でインボイスにもう登録してしまったという方もいらっしゃるでしょう。
それを「やっぱ、やーめた」とできるかどうか。
できますが、そのタイミングによって手続きが変わり、注意点も変わります。
インボイスをやめるタイミングは、大きく分けると、3つ。
フリーランス、12月決算の会社だとこのタイミングです。
3月決算の会社だとこのタイミング。
決算月の月末の15日前と考えていただければ。
いずれも2023年9月30日、インボイスがはじまる前日までは、「やっぱやーめた」をやりやすいです。
返品ではなく、注文のキャンセルという感じで。
ただ、そこは税金の手続き。
ネットでサクッとキャンセルというわけにはいきません。
よしんば電話で、「やめるわ」とも言えず。
(メールは送ることすらできません)
書類が必要なのです。
この「取り下げ」というのがやっかいで、決まった形式はありません。
こんな感じでつくって、Webゆうびんで送りましょう。
(郵送でもいいですけど)
送り先は、各地域のインボイス登録センターです。
——————————————–
適格請求書発行事業者の登録申請書の取り上げ
申請日:20xx年xx月xx日
氏名・名称 :xx xx
住所:XXX
登録番号:XXXXXX(わかれば)
理由:XXXX
氏名
理由は「登録の必要がなくなったため」とでも書いておけば問題ないでしょう。
最後の署名代わりの氏名が必要とのことです。
手書きではなく入力で問題ありません。
9月30日までにということですが、ギリギリは避けましょう。
取り下げておけば、インボイスのサイトに載ることもありません。
もしインボイスの番号をどこかに伝えていたら、そこにも伝える必要はあります。
やめましたと。
2023年10月1日以降にやめるときは、ややこしくなります。
できれば、9月30日までにやめておきたいものです。
インボイスを2023年10月1日以降にやめるには
前述の図で、②のタイミングです。
これは、フリーランス、12月決算の場合であり、その決算の月の末日の15日前の日までに手続きする必要があります。
インボイスがスタートした後(2023年10月1日以降)は、取り下げではなく取りやめ。
「やっぱやーめた」の意味が変わってくるのです。
2023年12月17日までに取りやめれば、翌年の2024年1月1日からインボイスをやめることができます。
ということは、2023年10月1日から12月31日までは、インボイスに登録していることになり、
・消費税を請求できる(正確には請求しても問題が少なくなる)
・消費税を納めなくてよくても(2年前の売上が1000万円以下など)、消費税の確定申告、納税をしなければいけなくなる
・インボイスの公表サイトに氏名等が載る
ということが起きるのです。
この違いに気をつけましょう。
3月決算の会社の場合は、3/17までにやめれば、次の年度2024年4月1日からは、インボイスをやめることができます。
(2023年10月1日を含む年度に手続きすればいいということです。原則として)
手続きとしては、こういった書類を提出しなければいけません。
PDFがまだ公表されておらず、これは、e-Taxソフトのものです。
これらの期限以降だとさらにややこしくなるのです。
インボイスを2023年12月19日以降にやめるには
インボイスを2023年12月19日以降にやめるなら(フリーランス、12月決算)、次のタイミングの2025年1月1日からインボイスをやめることになります。
だいぶ先になるのです。
さらにもっとややこしいことが。
インボイスを登録すると、「消費税を納める人・会社」と認定されます。
(課税事業者というものです)
これは原則として2年やめることができません。
・インボイスをやめる
・消費税を納める人・会社
というのは別物。
消費税を納める人・会社でもインボイスに登録しないということはできます。
ただ、意味がありませんし、損です。
消費税を納めるのに、消費税を請求できないとなりますから。
11万円なら、1万円の消費税を請求して、その一部を納税します。
納税だけになると、10万円で請求して、そこから払うことになるのです。
実質的にインボイスを2年間やめないことになり、フリーランス・12月決算で、仮に2024年1月10日にインボイスを「やっぱやーめた」とすると、インボイスを2026年1月1日からようやくやめられるということになります。
なお、これは、2年前の売上が1000万円未満の話であり、そうでないならインボイスに登録していなくてもやめても、消費税は納めなければいけません。
「やっぱやーめた」は、お早めに。
登録に迷っているなら、登録しないで状況を見るのもいいでしょう。
やめるのはややこしく、登録するのは楽ですので。
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■編集後記
昨日は、引き続き宮崎・都井岬。
朝ラン、馬撮影、ちょっとした登山をしつつ、港でかつお炙り膳を食べつつ、実家へ。
実家では買い物、ラン、ブログなど。
本の執筆もすすめました。
■1日1新→Kindle『1日1新』
目井津港 かつお炙り膳
都井岬 扇山
■娘(6歳)日記→Kindle『娘日記』・ Kindle『娘日記Ⅱ』
最近の1位はワンピース、2位は鬼滅、3位はこねこのチーらしいです。
4位がハリー・ポッター、5位がスパイファミリー。
「ママは?」と聞くと6位だそうで、パパは10位。
ただ、ママにその話をすると取り消して、ママを1位にしていました。
パパは10位のままとのこと。
ベスト10に入ったのをよしとするか……。
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