支払調書がこない!でも支払調書は確定申告に必要ない。

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支払調書というしくみがあります。
この支払調書は確定申告する側には必要ありません。
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※自宅にて iPhone 7 Plus

支払調書は、個人事業主から税金をとりっぱぐれないためのシステム

支払調書とは

支払調書(報酬)とは、個人(個人事業主・フリーランス)へ報酬等を支払ったときに、支払った側が税務署に出す書類です。

たとえば、54,000円支払った場合、その10.21%の源泉所得税(5,513円)を引き、48,487円支払うことになります。
この場合、消費税込の54,000円ではなく、消費税抜の50,000円に10.21%かけて計算することもでき、そのほうがスマートです。
その場合は、54,000円支払った場合、50,000円の10.21%の源泉所得税(5,105円)を引き、48,895円支払うことになります。

1年間に、54,000円、108,000円、32,400円と支払った場合、それを合計して作るのが支払調書です。
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この場合は、次のような支払調書になります。
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支払調書の本当の意味

この支払調書、支払った側は税務署へ出さなければいけません。
(ただし、原稿料、講演料等の場合は、合計5万円超の場合のみ)

支払調書というしくみがあるのは、個人事業主(フリーランス)が売上をきちんと申告しているかを見るためというのが1つの理由です。
売上の金額を合わせるというよりも、売上を抜いていないかのチェックをしています。

たとえば、この支払調書は、株式会社サンプルから井ノ上陽一へ報酬を払っているという意味です。
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もし、井ノ上陽一が確定申告をしていなかった場合、売上を隠しているということになります。
売上を1つを隠していれば他にもやっているのでは?と怪しまれるのです。

支払調書と個々の確定申告書を逐一合わせているということは考えられませんが、確定申告書を見て「あ、この人怪しい」と思ったら支払調書をチェックしてみるということはやっているでしょう。

昔、税務調査で、その会社宛の支払調書を山ほど持ってきたケースがありました。
支払調書が紙の時代です(今はネットで提出できます)。

支払調書を確定申告書につけなくてもいい

この支払調書、個人事業主(フリーランス)の確定申告書にはつけなくても大丈夫です。
そのような法律はありません。
「支払側が支払調書を作って税務署へ提出しなければいけない」という法律があるだけです。
手引にもこう書いてあります。

事業をしている場合は、決算書(青色申告決算書又は収支内訳書。青色申告なら前者、白色申告なら後者)を出せば十分です。
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「支払調書をつけるように」と税務署や税理士に言われた場合、それは慣習であり、チェックするのに楽だからという理由でしかありません。
(冒頭の写真の支払調書は税理士会からのもの。こういうところからなくさないと慣習はなくなりません。)
その数字が正しければ、支払調書はなくて問題なく、そもそも支払調書が正しいとは限りません。
支払側がミスをしていることもありますし、そのミスを修正してもらうというのは手間がかかります。

支払調書は、支払日でつくることが多く、発生の売上と合わないことも多いです。
たとえば、前述の例で、前月の売上を翌月末に支払っているとすると、12月の売上は翌年1月末に払うことになります。

受取側(個人)は、12月の売上(1月末入金)も含めて確定申告をしますが、支払調書には入ってないことも多いです。
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支払側は、このように、未払の報酬も含めなければいけないのですが、

「支払金額」の項には、その年中に支払の確定したものを記載し、支払調書を作成する日においてまだ支払つていないものについ
ては、これを内書すること。

現実的には手間もかかるため、支払った基準で作ることもあります。
経理上、
12/31 支払手数料 54,000円 未払費用        54,000円
1/31  未払費用 54,000円  預金         48,895円
預り金(源泉所得税) 5,105円
という処理をしますので、支払日で集計したほうが楽だからです。

「支払調書が正しくない」と「経理上正しくない」。
どちらも正しいのがベストですが、支払側の税金として重視せざるをえないのは「経理上正しくない」です。

また、支払調書がこないケースもあります。
法律にあるのは、「税務署長に提出しなければならない」であり、「報酬の支払先に提出しなければならない」というものはないからです。
(単純に事務負担の問題もあるかもしれませんが)

こないものを催促する必要もありませんし、支払調書をつける理由もありません。

支払調書に頼らない確定申告

支払調書を待って確定申告しないようにしましょう。

確定申告は、1月から12月までのもの。
理論的には、翌年1月1日に確定申告することは可能です。
(未確定の経費がある場合は待たなければいけません)

ただ、
・e-Taxのシステムが対応するのは例年1月4日。
・税務ソフト、会計ソフトが対応するのは例年1月下旬
ですので、紙で提出する以外は、これらを待たなければいけません。

私は税務ソフト、会計ソフトを待つのが嫌なのでe-Taxのシステム=国税庁サイトを使っています。
今年も前年分の確定申告はすでに終わらせました。

先週(1月中旬以降)から支払調書が来ていますが、見て捨てています。
法人で契約しているところからも来ていると苦笑いですが。。
(法人に支払った場合は支払調書を作る必要はありません)

さらに支払調書を待つとなると1月も終わってしまい、2月になってしまう可能性も高いです。
新たな年はすでにスタートしています。
前の年のものはささっと終わらせて、今の数字、今後の数字を見なければいけません。
確定申告はできるだけ早く終わらせるべきもので、支払調書を待つなんてことがあってはいけないのです。

支払調書がこないと不安というのではなく、自分できちんと売上を把握して経理しておけば問題ありません。
また、「支払調書が源泉徴収税額がわからない」というではなく、取引の都度、いくらひかれているか、どういう計算方法か(消費税込で計算か消費税抜で計算か)を確認しておきましょう。

10万円(税込)と提示された場合、この税は源泉所得税なのか消費税なのか曖昧な場合もあります。
(実際混同されている方も。。)

原稿料で、400字4000円という条件提示だと、結局いくらなのかわからない場合もありますので、事前に聞くか入金のお礼がてら聞いてみましょう。

支払側がもし支払調書の送付をやめるなら、源泉所得税の差引方法、支払明細の通知は必要です。

支払調書は、支払側も受取側も多大な手間がかかります。
法律上作って税務署に提出するところはしかたないとしても、受取側へ郵送・配布する慣習はなくなって欲しいものです。


【編集後記】

新アイテムを試して2日目。
1週間ほど試したら、記事にする予定です。
なかなか楽しめています。

【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」

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