フリーランス、ひとり税理士の≪やよいの青色申告オンライン≫使用後レビュー

やよいの青色申告オンラインがリリースされましたので、現段階(2014年11月2日)バージョンをレビューします。
IMG 0520

待望のオンライン?≪やよいの青色申告オンライン≫

先日リリースされた≪やよいの青色申告オンライン≫、ひととおり触ってみました。

スクリーンショット 2014 11 02 10 57 26

こんな特徴があります。

○プランは3種類

()内は、次年度以降の通常料金です。
セルフプランなら決算書、申告書まで作成しても初年度は、無料で使えます。
通常はセルフプランでいいでしょう。

電話・メールサポートありのベーシックプランなら、初年度6,480円/年になます。
(すべて消費税込)

プラン名 料金 決算書・申告書作成 電話・メールサポート
無料体験プラン 最大2ヶ月無料 できない なし
セルフプラン 初年度無料(8,640円/年) できる なし
ベーシックプラン 初年度6,480円/年(12,960円/年) できる あり

他のオンライン、クラウドソフトは、
freee(フリー) 9,800円/年(980円/月)
MFクラウド 8,800円/年(8000円/月)
であり、初年度無料のやよいの青色申告オンラインの方がお得なように見えます。
ただ、初年度のみの無料ですし、現状データをエクスポートできません。
つまり他のクラウド会計ソフトへの移行ができないのです。
2年目以降使い続けるとなると、8,640円/年。
それほど変わりません。

Macでも使える

オンラインで使えるということは、Macでも使えるということです。
リリースから今回の記事を書くまで、私はMacのChromeで試しています。

これまでの弥生会計はMacでは使えませんでした。


------※この記事は、投稿日現在の状況、心境、法律に基づいて書いています。---------

■スポンサードリンク


正確に言うと、MacにWindowsを載せない場合、Mac単体では使えません。
私は、MacにWindowsを入れて普通に弥生会計を使っています。
Macで弥生会計は使えるか? | EX-IT

その他のメリット

その他あえてメリットを絞り出すと、
・バージョンアップが必要ない(ただし、セルフプランなら次年度以降、月額又は年額のコストはかかる)
・インストールしなくていい
・複数のPCで使える(同時には使えない)
・データがネット上(クラウド上)にあるので、自動保存される
といったものがあります。

やよいの青色申告オンラインの「う〜ん・・・」なところ

待望?のやよいの青色申告オンライン。
私は使いません。

自分の確定申告は、
・Excel(特殊かつオリジナルで作成。マクロを使わないと厳しい)
・国税庁サイト
でやり、
お客様の確定申告は、
・Excel(事業主借、銀行の処理)
・弥生会計、やよいの青色申告又はfreee、MFクラウド(業種・好みにより)
・国税庁サイト
をおすすめしています。
(個人のお客様の新規受付はやっておりません。コンサルのみやっています)

現状、これらを覆してまで使う(おすすめする)にはいたりません。

次のような理由があるからです。
(今後機能の追加がある可能性もあります)

操作が重い。もたつく

クラウド会計ソフト全般にいえますが、まだまだ処理が重いです。
一瞬、間が空きます。

ショートカットキーがない

会計ソフト全般にいえることですが、すばやく操作できるショートカットキーがありません。
メニューも少なくなったとはいえ、わかりにくいです。

インポート(取込)

見たところ、他のソフトからデータの取込ができません。

Excelからの取込ができないので、既存のデータや、別途管理しているデータからの取込ができないのです。
また、インポートするスキルは必要となりますが、普通に入力する場合でもExcelで入力した方が速くて簡単です。
自分が立て替えた経費ならこうやって打って、仕訳に変えて取り込めばすみます。

スクリーンショット 2014 11 02 11 30 01

他のソフトからのインポートができないため、freeeやMFクラウドからの乗換も難しいでしょう。
(freee、MFクラウドはインポートできます。freeeの方は微妙な出来ですが・・)
クラウド会計でExcel取り込みするなら、MFクラウド会計が使いやすい | EX-IT



さらには、弥生会計からのインポートもできません。
オンラインに切り替えたいという場合もゼロからの立ち上げになりますし、オンラインと弥生会計の併用も不可能です。

エクスポートができない

エクスポート、つまりデータを切り出すこともできません。
オンラインを使っていて弥生会計に切り替えることもできませんし、他のソフトへ切り替えることもできないのです。
初年度無料といっても、実質的に使い続けなければいけないでしょう。

また、会計ソフトの分析機能は貧弱です。
エクスポートできなければ、Excelにデータを切り出して、ピボットテーブルやグラフで分析したいと思っても、できません。

他社ソフトへの切り替えを阻止するための割くかもしれませんが、今はもうそういう時代ではありません。

前期との比較ができない

前期のデータを取り込むこともできませんし、弥生会計・やよいの青色申告からの移行もできませんので、前期、前々期との比較ができません。
確定申告は終わればいいものではないのです。
数字を比較して、今後に役立てることが欠かせません。
エクスポートができれば、Excelで比較することができますが、それも不可能です。

かんたん取引入力はかんたんではない

かんたん取引入力という機能があり、「簿記がわからなくてもかんたん」とうたわれています。
会計ソフト全般で、「かんたん」という言葉が使われていませんが、それほどかんたんではありません。
かんたんイコール操作性がよいではないのです。

やよいの青色申告オンラインの入力も毎回マウスでメニューから科目を選ばなければいけません。
弥生会計なら、「会議費」の場合、「K」と打てば、Kで始まる科目が出てきます。
(コードで出てくるようにもできます)
毎回マウスで選択というのはかんたんなようで手間もかかるのです。
スクリーンショット 2014 11 02 10 31 14

仕訳のコピーもできません。
(同じ取引を続けて入力というのはありますが)

現状、[仕訳の入力]メニューがまだ使えず、これが使いやすいかどうかでまた評価が変わります。

法人は使えない、個人のみ

法人も使える(料金は上がりますが)freeeやMFクラウドと違って、やよいの青色申告オンラインは個人のみです。
法人は使えません。

ネットに常時つなぐ必要

クラウド会計ソフトすべてにいえることですが、ネットに常時つなげる必要があります。
会計データの入力はオフィスでやることが多いので問題はないかもしれませんが、気をつけなければいけません。

ネットバンク連携に手間

クラウド会計ソフトの利点の1つは、ネットバンクやクレジットカード連携ができることです。
対応している金融機関、カードなら自動的に取り込んでくれます。

やよいの青色申告オンラインにもその機能はありますが、直接ではありません。

スクリーンショット 2014 11 02 9 58 52

MoneyLookやZaimといったサイトで別途登録しなければいけないのです。
なお、MoneyLookは、Macでは使えません・・・。
直接連動できるfreeeやMFクラウドと比べると使いにくい点です。
一度連携していれば問題ないのでしょうが。

テストデータは無事取り込まれました。
スクリーンショット 2014 11 02 10 35 43

同時に使えない

やよいの青色申告オンラインは複数で同時には使えません。

スクリーンショット 2014 11 02 10 18 34

複数人で同時にみることは少ないかもしれませんが、認識しておきましょう。

消費税に対応していない

さらにはなんと消費税の処理・申告に対応していません。
バージョンアップが必要なクラウド会計ソフト。
そのメリットの1つは、今後予想される消費税率アップへの対応のはずですが、やよいの青色申告オンラインは、消費税の計算ができません。
今後対応する可能性はありますが、注意しましょう。

クラウド、オンラインだからといってお金のスキルが身につくわけではない

クラウド、オンラインというと、確定申告が楽になるというイメージがありますが、決してそうではありません。
確かに、ネットバンクやクレジットカードが自動連携されると、入力の手間は減ります。
私もその恩恵は受けています。

ただ、クラウド化・オンライン化の今の流れは、「とにかく、つらい確定申告を乗り切ろう」というものでしかありません。
潤っているのは会計ソフト会社側だけで、フリーランスの経理、確定申告は本当に楽になっているのか?という疑問もあります。
ネット上で絶賛の声もありますが、本当に自分で使っているのか???とものも多いです。

よりかんたんに、とにかく確定申告を乗り切ることだけを目的としていてはいつまでたってもお金のスキルは身につきません。
「小さいから別にお金の管理をしなくても・・・」と思うかもしれませんが、規模が小さいからこそ、お金の管理は必要です。
特にフリーランスは、個人、事業含めてのお金の管理が欠かせません。
自分で自分の身を守らないと、誰も守ってくれないのです。
(税理士への丸投げも同様にスキルが身につきません。だからこそ私は丸投げを受け付けていません)

そんなお金の管理スキルが身につく会計ソフトが理想だと思っています。
まだ従来の会計ソフトの方が、細かく数字を見ることができるので、理想に近いです。
世の中、多少手応えがあって難しいものの方が、役に立つことが多いですからね。

きれいなグラフが出てきても、詳細を見てその理由を突き止められないのはちょっと厳しいでしょうね。
スクリーンショット 2014 11 02 10 28 26

スクリーンショット 2014 11 02 10 28 54





【編集後記】

昨日は、午前中にマクロ入門セミナー、午後にExcel入門セミナーを開催。
ご参加いただいた皆様ありがとうございました!
次回は、12/6に開催します。
午前中にマクロ入門、午後にExcel入門です。
「Excelを使いこなしてからマクロ」というわけではなく、同時に学ぶ相乗効果もあります。

12/6(土)午前 経理&会計のためのExcelマクロ入門セミナー

http://www.ex-it-blog.com/macroseminar/ 

12/6(土)午後 経理を12倍速くする!Excel入門セミナー

http://www.ex-it-blog.com/excelseminar/ 

【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」

■スポンサードリンク

マクロセミナー、Excelセミナー同日開催

■スポンサードリンク




井ノ上陽一のVALU
■著書
ひとり税理士のIT仕事術―ITに強くなれば、ひとり税理士の真価を発揮できる!!
フリーランスとひとり社長のための 経理をエクセルでトコトン楽にする本
新版 ひとり社長の経理の基本
毎日定時で帰っても給料が上がる時間のつかい方をお金のプロに聞いてみた!
『ひとり税理士の仕事術』
『フリーランスのための一生仕事に困らない本』
『社長!「経理」がわからないと、あなたの会社潰れますよ』
『そのまま使える経理&会計のためのExcel入門』