・借りやすい景気対応緊急保証による融資

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金融機関から受けることができる融資には様々な種類があります。
その中でも比較的借りやすいのが,「景気対応緊急保証」による融資です。
「景気対応緊急保証」とは業況の悪化している企業への融資を保証協会が保証するものであり,利率や据置期間(元金を返済しなくてもいい期間)などの優遇があります。
通常の融資よりも比較的借りやすい制度です。

なぜ借りやすいのか?

会社の業績によって,借りることができる限度枠が決まっています。
今回の「景気対応緊急保証」では,その限度枠とは別枠で融資が行われるものです。
例えば,借りることができる枠が5,000万円の会社があり,すでに5,000万円の融資を受けていれば,もうその会社は金融機関からお金を借りることができません。
しかし,この「景気対応緊急保証」を使えば融資が受けることができるのです。
無担保だと8,000万円の枠がありますが,当然その枠の中で受けることができる融資の額はその会社によって異なります。
また,金融機関には責任共有制度というものが導入されています。
これは一定の融資については金融機関が融資額の20%の保証をしなければいけないというものです。
例えば5,000万円の融資が返済されなければ,そのうち20%である1,000万円は金融機関,残りの4,000万円は信用保証協会が負担します。
「景気対応緊急保証」では100%を信用保証協会が保証しますので,もしものときにも,金融機関の負担はありません。
たから金融機関にとっては貸しやすいということになります。
(もちろんそれだけで判断しているわけではありませんが)
要件
この制度が利用できる要件は,次の5つです。
1 指定された業種であること
今はほとんどの業種が対象となっています。

2 次のいずれかの要件を満たしていること
 (イ) 最近3か月間の平均売上高等が前年同期より3%以上減少
 (ロ) 売上原価に占める割合が20%以上占める原油等の仕入価格が20%以上上昇して
   いるにもかかわらず、価格転嫁できていない
 (ハ) 最近3か月間(※)の平均売上総利益率又は平均営業利益率
    前年同期より3%以上減少
(※)直近の決算でも可
 (ニ) 新型インフルエンザの発生に起因して、その事業に係る影響を受けたのち
   最近1か月間の売上高等が前年同月より3%以上減少,
   かつその後2か月間を含む3か月間の売上高等が前年同期より3%以上減少
 (ホ) 最近3か月間の平均売上高等が2年前同期より3%以上減少
 (イ)や(ハ)は分かりやすい要件ですので,まずこれらに該当しているか確認しましょう。
 (イ)は売上高,(ハ)は売上総利益率,営業利益率の減少率が要件です。
3 市区町村の認定
会社の所在地のある市区町村の認定が必要となります。
認定内容は,上記1,2の要件を満たしているかどうかです。
「(市区町村名) 景気対応緊急保証」や「(市区町村名) セーフティネット」で検索すると,該当する情報が表示されるかと思います。申請書をダウンロードできるところも多いです。
認定には予約が必要なケースもあります。
認定に要する期間は,即日認定のところもあれば,翌日認定というところもあります。
市区町村によって必要な書類は異なりますが,おおむね次のとおりです。
・登記簿謄本
・決算書,申告書のコピー
・上記2の要件を満たしていることを証明する資料
 試算表(税理士の確認印が必要な場合あり)
 決算書
など
申請の流れ
上記3の認定

認定書を金融機関(信用保証協会,銀行等)に提出

融資
という流れです。
認定があったからといって,融資が必ず行われるわけではありません。
事前に金融機関に話をしておいた方がいいでしょう。
今,資金が必要でなくても,借りやすいときに借りておくのも1つの考え方です。
ただし,利息が安いからといって無駄に借りても意味がありませんので,融資を受ける金額は十分な検討が必要となります。

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【編集後記】
オフィスの模様替えの案がほぼ決まりました。
あとは必要な備品を買うだけです。
少人数でのセミナーも行うことができます。
税金,会計だけでなく,PC・ソフト(会計ソフト,Excelなど)を使うセミナーも予定しています。
連休中に備品を揃え,企画を練る予定です。

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