・税理士資格をとった後の選択肢

今日は税理士試験の合格発表日でした。
合格された皆様、おめでとうございます!

税理士試験は科目ごとに受験でき、5科目合格すると税理士登録の資格の1つを得ることができます。
※さらに実務経験2年間(試験合格の前後を問わない)があれば、税理士として登録できます。
1年に一度の試験で、現実的に受験できる(合格レベルに達する)科目数は3科目が限界です。
科目によってボリュームや難易度が異なりますので、組み合わせによっては、1科目~2科目しか受験できません。
また、受験勉強の状況によっては、さらに事情が変わります。
税理士として必要な5科目をそろえるには、複数年かかるということです。
今日は、「税理士資格をとった後の選択肢」というテーマです。
まず、参考に私の例を書いてみます。
私が税理士試験の5科目目に合格したのでは2003年(平成15年)です。
当時、税理士事務所に勤めていましたが、そこにずっといる気はなく、なんとなく税理士が事務所内にいるのは微妙な雰囲気でした。その他の特殊な事情もあり、退職することは決めていました。
その後の選択肢は転職と独立。
独立は、とても考えられず(勇気がなく)、「一般企業の方が給料がいいし、将来独立するとなっても企業側を経験するのも悪くない」と思い、企業を中心に転職活動をした結果、無事転職できました。
その後、その企業から税理士事務所を1つ経験し、独立して今に至っています。
税理士資格取得とともに独立というのも悪くなかったかもしれません。
独立には、多大なエネルギーと決断が必要です。(当然クライアントや資金も必要となりますが)
「資格取得」という区切りで独立するのが決断もつけやすいと思います。
なによりも、早めに独立するメリットは非常に大きいです。
早めに独立するメリット
税理士として独立を考えているなら、早めに独立すべきだと思っています。
その理由は3つあります。
1 理想的な独立は難しい
「資金に余裕があり、クライアントも何件か見つけて、ある程度収入のめどがついてから独立しよう。」
税理士独立に限らず誰しもが思い描く理想です。
しかし、その理想が実現するのは非常に難しいと思います。
実は私もそう考えていましたが、税理士事務所で働きながらクライアントを獲得するのは予想以上に困難です。
例えば、人脈を増やし、いざ独立したら仕事を頼まれるようにしようと思っても、単発の仕事ならともかく、顧問契約を依頼されるのは、なかなか難しいでしょう。
友人でも、理想的なスタートを切っているケースは確かにありますが、あまりそれを期待してはいけないと思います。
2 得られる経験値が違う
人が得ることができる経験値は、何を経験したかによって、その質と量が変わると思っています。
単に年月を経ただけでは意味がありません。
個人的に思うのは、税理士として勤務しているときの経験値、つまり[独立前の経験値]と[独立後の経験値]は種類が違うということです。
やっていることは同じようでも、その経験の重みや深みが違う気がします。
勤務しているときでも同じような経験値を得ることができる方も多いと思いますし、勤務する場所にもよるとは思います。ただ、私自身に限って言えば、独立してからの方が非常に多くのものを得ていますし、考え方も変わってきました。
業界の外を積極的に見るようになったことも影響しているかもしれません。
この2つの経験値に差がないとすると、リスクをとって独立する意味は薄れるでしょうね。

3 時間がメリットとなる
仮に2の[独立後の経験値]というものがあるとすると、その経験値をできるだけ多く得た方が、自分の成長、サービスの向上につながります。
[独立後の経験値]を得る時間が長ければ長いほどメリットを得ることができるため、やはり早めに独立した方がいいということになります。
まとめ
税理士として「何がやりたいか?」によって、選択する道は変わってくると思います。
現状で、そのやりたいことができているのであれば、そのままでいいでしょうし、そうでないならばリスクをとって決断する必要があるでしょうね。
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【編集後記】
来月末に不動産投資家向け税金セミナーの講師・コンテンツ作成を担当することになりました。
昨日はその打ち合わせを行い、会場をおさえ、準備をスタートさせたところです。
告知は今月末を予定しています。
個人事業主向けの確定申告セミナーも同じ時期に開催したいと思っています。