法人の中間納税(予定納税)を、銀行に行かずネットでやる方法

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法人の中間納税(予定納税)は、金融機関にて納付書で払うのが通常です。
ただ、その手間がめんどくさいときは、ネットで納税することもできます。
私はネット派です。
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※オフィスにて。iPhone 6s

中間納税(予定納税)をしなければいけない場合

中間納税(予定納税)のしくみ

通常、法人の場合、事業年度の終わり、つまり決算月から2ヶ月以内に納税をします。

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「いっぺん納税したら大変でしょ」ということで、「中間で前年の税金の半分を払っておけば?」というのが中間(予定)納税です。
(中間納税、予定納税といった言い方が各税法でも違い、人によっても違います。)

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これは、前年と同じくらい又は前年以上に税金を払うということが想定されています。
また、もう1つの思惑は、「とれる分だけ先にとっておきたい」というものもあるはずです。

中間で15万円払って
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決算時に50万円払うことになったら、
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50万円ー15万円=35万円を払えばいいので、確かに負担は楽になります。

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中間納税(予定納税)の条件とタイミング

それぞれの税金の中間(予定)納税をしなければいけない条件とタイミングは次の通りです。
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法人税・地方税は、前年の法人税が20万円を超えているかどうか、消費税は、前年の消費税(国税部分のみ。消費税は、6.3%が国税、1.7%が地方税)が48万円を超えているかが最初の基準となります。

法人税と地方税(都道府県民税、市町村民税、事業税、地方法人特別税、地方法人税)は、中間納税の回数は最大1回。
消費税は、最大11回です。
支払うタイミングは、「納税月から6ヶ月」と考えましょう。
5月が納税月(3月決算)なら、11月。2月が納税月(12月決算)なら8月です。

それぞれ前年の税額により決まります。
ここで注意しなければいけないのは、納税額ではなく、法人税額ということ。

この場合は、377,100円の法人税で200,000円の中間法人税が引かれて、177,100円納税しています。
次の事業年度は、177,100円で判断せず377,100円で判断するので、中間(予定)納税しなければいけません。
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消費税も同様で、次の赤枠の部分で判定します。
上が国税(6.3%)、下が地方税(地方消費税。1.7%)部分です。
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多くの場合、納付書が送られてくるので、それに従って払っておけばいいのですが、事前に中間納税があるかどうかは確認しておきましょう。

中間納税は、最初に払うときが一番きついです。
たとえば、5月に納税している場合(3月決算)、通常は次の5月が納税のタイミングですが、法人税の中間納税があると、8月にも納税があります。
資金的な負担が大きくなるので、最初の中間納税には注意しましょう。

中間納税(予定納税)の仕訳

会計データの入力(仕訳)は、次のようにすることが多いです。
(人により異なります)

・法人税・地方税→[法人税、住民税及び事業税]で処理
・消費税→[仮払税金](仮払金)で処理

[租税公課]で処理すると、販売費及び一般管理費に含まれ、営業利益に影響してきます。
あくまで、税金の制度にともなって前払するものなので、通常の損益に影響しない[法人税、住民税及び事業税]で処理するのです。

消費税は、法人税等とは、違う考え方ですので、前払の意味で資産である[仮払税金](仮払金)で処理します。
1つ、独立した科目を作っておいた方が処理しやすいです。

決算時には、
仮受消費税等/仮払消費税等
/仮払税金(中間納税分)
/未払消費税等(決算納税分)
と処理します。
(税抜で経理している場合)

中間申告はしなくてもいい

「納税」というと「申告はしなくてもいいの?」と思われるかもしれません。

中間で申告する中間申告には、2つあります。
1 前年度の半分を申告するもの
2 実際に中間決算をやって実績の数値で中間申告するもの

1は、これまで取り上げてきたものです。
2は、実際に決算をして納税額を決めなければいけないので負担、手間がかかります。
中小企業、ひとり社長ではほとんどやりません。
ただし、前年度よりも大幅に業績が下がるときは、2の方法を使うこともあります。

たとえば、中間納税額が1の方法だと100万円だったとき、2の方法をやれば30万円になるなら中間決算をした方が得です。
ただ、中間決算をやるとなると、税理士への報酬も上がるケースがありますので、確認しておきましょう。

1の方法でやるなら、中間申告、つまり、申告書の提出は必要ありません。
「申告書の提出がなければ1の方法でやったとみなすから、納税だけちゃんとやってね」という法律があるからです。
私は出したことがありません。
1の方法で中間申告としてお金や手間がかかっているなら即やめましょう。

国税(法人税、消費税)のネットでの中間(予定)納税

中間(予定)納税をネットでやる方法があります。
今回、私の会社もネットでやりました。
まあ、ネットでやる方法もそれなりに手間がかかりますので、銀行の手間と考えていただければ。
私の場合、銀行へ納税に行ってくれる人がいないので、ネットの方が断然楽です。

※追記 クレジットカード納付もできるようになりました。

国税(法人税、消費税)

国税の場合、中間納税額が30万円以下の場合、コンビニで納付できます。
nanacoカードを使えば、カード払いも可能です。
こちらを選ぶのも手でしょう。

国税の中間納税をネットでやるのは簡単です。
納付書に答えがあります。

納付書、左下のコードをネットバンクで入力すれば納税できるのです。
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ただし、電子申告開始届(国税)を出しておく必要があります。
http://www.e-tax.nta.go.jp/todokedesho/kaishi3.htm

ネットバンクの「税金の支払い」「ペイジー」というところで入力しましょう。
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ネット専業銀行ではペイジーができません。
私は法人で無料のゆうちょを使っています。
【関連記事】法人でネットバンクを使うなら、無料のゆうちょ銀行がおすすめ! | EX-IT
リンク

小さい声で書きますが、このネットバンク納税は個人のネットバンクからもできます。
口座名義と納付情報の紐付け、チェックはされていないのです。
個人の口座から払って、社長借入金(立替金)する方法もあります。

消費税も同様です。

地方税

地方税はやっかいです。
・ソフトをインストールして送信する必要あり
・ソフトはWindowsでしか使えない
・個人番号(マイナンバー)カード又は住基カード、カードリーダーが必要
・都道府県・市区町村により対応していないところがある
といったデメリットもあります。

基本的には、通常の納税と同様なので、こちらの記事を参考にしていただければ。
【関連記事】地方税をネットで納付する方法 | EX-IT
リンク

中間納税の場合、メニューで、[メッセージボックス]を選択し、
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プレ申告データ〜を開きます。
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開いた後、[添付ファイルをダウンロード]をクリックして、
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メニューで、[申告データの作成メニュー]を選択し、
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[申告データの読込]で先ほどダウンロードしたデータを読み込みます。
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読み込んだ後、編集します。
読み込んだデータは、均等割りの月と金額が空欄です。
これを入れて、[この申告により納付すべき・・・](オレンジ)が表示されるようにしましょう。
これをやらないと署名できません。

[申告データ署名]というメニューで、署名(カードリーダーと個人番号カード又は住基カードが必要)して、[申告データ送信】で送信します。
前述のとおり、「中間申告はしなくていい」という話がありましたが、地方税の場合は,ネット納税するなら提出が必要なのです。
([見込み納付]というメニューでできないこともないのですが)

送信したらメニューから[電子納税メニュー]、
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[電子申告を行った申告の納付情報発行依頼]を選択し、発行依頼をして送信すると、EX IT SS 22

[納付情報発行依頼の確認・納付]で、ようやく納税情報(4種類の番号)を得ることができます。
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[電子納付を行う]をクリックすれば、そのままネットバンクで支払うことも可能です。

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地方税の方は敷居が高いので、国税だけネット納付するのも手です。
ただ、国税だけネット納付しても地方税で金融機関にいかなければいけないので、両方とも金融機関で納付するのが得策でもあります。

消費税が年3回中間納税で、法人税・地方税とかぶらないときは、消費税(国税)だけネット納付というのも手でしょう。

ただ、地方税のネット納付を覚えておけば、決算時の地方税もネット納付できるので楽ではあります。





【編集後記】

昨日は午後にIT仕事術セミナーを開催しました。
IT系の記事はこちらにまとめてあります。

【関連記事】効率アップ!IT仕事術 | EX-IT
リンク

【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」

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