事業計画の作成

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先日,2010年の事業計画を作成しました。
個人事業主である税理士は,1/1~12/31が1つの区切りとなります。
会社の方は,7/1~6/30が区切りですが,
私の場合,あわせて1/1~12/31で計画を立てるようにしています。
今回は,その事業計画についての話です。
事業計画とは
事業計画は,経営計画ともいいます。
今後のビジネス上の目標を数字で表現したものです。
その計画のスパンは,1年であったり,中期(3~5年)であったりします。
具体的には,
来年,どのくらいの売上を目指すか?
経費はどのくらいかかるか?
資金繰りはどうなるか
などを計画するものです。
事業計画は必要かどうか?
事業計画が必要かどうかは議論が分かれるところです。
どこまで詳細に作成するかにもよります。
無理に作成する必要はありませんが,
大まかな売上目標,利益目標はあった方が好ましいです。
私自身も含めてほとんどのクライアントで,事業計画を作成しています。
事業計画のメリット
目標を設定するときに,数値を掲げるのと,掲げないのとでは
その達成度合いが異なってきます。
たとえば,
・ダイエットで目標体重を決める
・読書で目標冊数を決める
・勉強で勉強時間を決める
など
個人差はありますが,目標を設定すると,その目標を達成するために邁進するものです。
ビジネスも客観的な数値目標があると,その目標に向かって数字が伸びていきます。
事業計画を作成すると,
決算までの業績の予測ができます。
業績の予測をしておくと,
急激な環境の変化に対応したり,
節税対策を十分に練ったりすることも可能になります。
これらがメリットとして考えられるものです。
事業計画を作成する前提
事業計画を作成するには,過去の数字や現在の数字を把握しておく必要があります。
例えば,1/1~12/31のビジネスで
まだ今年の業績を数字で把握していない場合,
来年の数値目標を立てることはできません。
過去と現在を把握してこそ,未来を形作ることができるのです。
事業計画の作成方法
事業計画を作成するには,いくつか方法があります。
1 売上を積み上げていく方法
 来期の売上を見込める場合には,その売上の計画から作成を開始します。
 現実的な売上高を算定します。
2 必要な経費を計算する方法
 売上は予測しづらいものですが,経費は比較的,予測しやすいものです。
 売上の増減に関係なく,発生する経費,いわゆる固定費は,ある程度決まっています。
 その固定費をまかなうことができる売上高を計算します。
 
 例えば,来期の固定費が年間で1,000万円かかるなら,最低でも1,000万円の売上総利益が必要になります。
 このビジネスの利益率が40%なら,
 必要な売上高は1,000万円÷40%=2,500万円となります。
 計画をまとめると,
 売上       2,500万円
 売上総利益  1,000万円(売上×40%)
 経費       1,000万円
 営業利益      0万円(売上総利益-経費)
 です。
 営業利益800万円を目指すなら,
 売上       4,500万円
 売上総利益  1,800万円(売上×40%)
 経費       1,000万円
 営業利益     800万円(売上総利益-経費)
 となり,売上が4,500万円必要ということになります。
3 目標とする売上高を決める
 社長自身が目標としたい売上高を決めます。
実際には,これら3つの方法を組み合わせ,現実的かどうかも考えながら,計画を作成していきます。
最低限クリアしなければいけない数値と
目標とする数値(達成は不可能ではない)
の2つを作成することが多いです。
私もこのパターンです。
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【編集後記】
おかげさまで11/29の「中小企業の決算書の読み方勉強会」,定員となりました。
ありがとうございます。
12月は開催未定ですが,1月の開催も決定しています。
月1回開催を目指したいと思っています。
Newtype税理士井ノ上陽一 大人の数字力を高めるブログ|
写真は,昨日通りかかった東京タワーです。
思えば,東京に来てから,一度ものぼったことがないですね・・・。
【読み終わった本】

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37年間で4社を立ち上げ,経営してきた著者が,社長業初心者に向けた書いた本。
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