科目内訳の管理

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私が新規にご契約させていただく際に,決算書等で注目するポイントの1つは,
科目の内訳です。
(新規設立の場合を除きます。)
決算書や税務申告書とともに,通常,勘定科目内訳書という書類を添付しています。
主にB/S(貸借対照表)の科目,つまり資産,負債について,
内訳が記載されているものです。
過去のこの書類により,科目の内訳を確認します。
科目の内訳とは?
例えば,決算書に普通預金が10,118,072円あった場合に,
その内訳が
M銀行 ○○支店  283,940
N銀行 ○○支店  3,943
O銀行 ○○支店  9,830,189
だったとします。
一つの勘定科目(ここでは「普通預金」)に複数の項目が含まれている場合,
必ずその明細があるはずです。
上記のような「普通預金」は,まだ内訳がしっかりと把握されている方ですが,
その他の科目は,そうではないケースがあります。
売掛金の例
例えば,「売掛金」。
「売掛金」とは,モノやサービスを提供して,まだその代金を回収していないものです。
この「売掛金」が585,550円あった場合には,
その内訳を把握しておかなければいけません。
実際に把握してみると,次のような残高だったとします。
A社  485,900
B社  34,980
C社  9,050
D社   -1,020
E社  56,640 
合計 585,550
この残高が直近の売上に対するもので,また支払期限が来ていないものであれば,
正常な状態です。
しかし,次のような事実が発覚することがあります。
・かなり前の「売掛金」が残っている
・請求金額が全額振り込まれていない
・マイナス残高(請求金額より多く振り込まれている)
・実在していない残高が記載されている
理想を言えば,リアルタイム(少なくとも1ヶ月単位で)にこれらの内訳を把握していることが
望まれます。
上記のような事実があった場合にすぐに対処できるからです。
勘定科目内訳書の記載
決算書・税務申告書に添付する勘定科目内訳書は,
少額のものの記載を省略している場合もあります。
例えば,「売掛金」だと,
期末残高が50万円未満のものは,一括して記載してもよいことになっています。
(すべて記載してもかまいません)
勘定科目内訳書に記載がなくても,
会社側で管理されているかが重要です。
一括して記載されていたり,内訳が記載されていない勘定科目があると,
会社側の管理資料や過去の会計データを確認する必要があります。
「仮払金」,「未払金」などの残高も同様です。
内訳をどこまで開示するか?
決算書・税務申告書,勘定科目内訳書は,
税務署や金融機関に提出します。
どこまでその内容を開示すべきかは,個々の事情にもよりますが,
あまりに情報量が少ないと,決算書類の信頼性にも影響する可能性もあります。
科目の内訳を調べていくと,結構,会計処理の間違いなどが見つかります。
新規契約時にこのチェックを行いますが,
通常の決算時に真っ先に行うのが,この内訳のチェック及び残高の確定です。
また,「仮払金」「仮受金」,その他不明な残高があった場合は,
決算時までに適正に処理して0にしておきましょう。
残高が0であれば,当然,決算書にも勘定科目内訳書にも記載しなくてよくなります。
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