毎月の数字を見ているのは、不安だから | 「ひとりしごと」で見ておきたい数字

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独立以来欠かしていない習慣の1つは、「数字を見ること」です。
その数字を見ている理由、見ている数字についてまとめてみました。
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※オフィスにて DSC-RX100M3

数字を見る理由

私が数字を見る理由は、「税理士として当然だから」。

・・・ではありません。

最も大きな理由は、「不安だから」です。

風が吹けば吹き飛ぶ、ひとりしごと。
風が吹かなくても吹き飛ぶ可能性もあります。

だからこそ、数字を見ていないと不安なのです。

・このままで大丈夫か
・お金が足りなくならないか
・仕事を選び続けていられるか、そんなこと言ってられないのか
・どのくらい売上を上げなくてすむか
・新しいものにどのくらい投資できるか
・今の時間の使い方でいいか
・新しいビジネスを立ち上げられるか
などなど不安はつきません。

「独立9年目で安定しているのでは?」
「もう大丈夫なのでは?」
「軌道に乗っているのでは?」
と思うことはできず、仮にそう言われたとしても、数字の裏付けがなければ怖くてしかたないのです。

だからこそ数字を見ていますし、見るなといわれても見ます。

数字を見るようになったきっかけ

数字を見るようになったのは、これまで4回あった、お金の危機の影響もあります。

やばい・・ということが4回あったのです。

1回目は、公務員を辞めて、税理士受験に1年専念しようとしたとき。
収入ゼロで、1年間暮らせると思いつつも不安で、当時つけていた家計簿をより深く見るようになりました。

月に18万円ずつ使うと、1年後にはお金が足りなくなる計算。
当時家賃が65,000円だったので、食費3万、光熱費1万、その他3万くらいで、14万円くらいにおさえつつ、減っていく残高を見ていました。

2回目は、税理士事務所を辞めて、再度、税理士受験に専念したとき。
試験が終わっても転職(社会復帰)が決まらず、焦るし残高は減るし・・で、このときに、さらに数字を見るようになりました。
残高30万円をきるかきらないかで、再就職が決まったのでなんとか生き残っています。

3回目は、独立後。
独立時には100万円くらいしかなく、借入もしましたが、残高は目減りしたのです。
売上もないくせに「このくらいは必要だろう」と無駄にお金を使っていました。

5ヶ月後に資金が尽きるな・・という不安と戦いつつ、独立後のお金の使い方を見直し、数字をより見るようにならざるを得なかったのです。
家計と事業の数字を両方見ることにも慣れてませんでした。

4回目は、独立3年目の年末、大口の仕事がなくなったとき。
計算すると、7ヶ月後に資金がなくなることがわかりました。
数字を見直し、
・システム利用料
・家賃
・仕事のとり方、スタンス
などを改善し、今に至る基礎ができました。

こういった危機があるたびに、数字の見方がかわってきています。
税理士として学んだことなんて机上の空論でした。
「数字を見る」といいますが、それは数字ではなくお金であり、お金が尽きたら食べていけなくなりますので、見ているのは、命そのものです。
(その数字の見方は、お客様にも提供しているものです)

私が毎月見ている数字

昨日は、9月1日。
8月分の数字を整理して見る日です。
経理は日々やっていますので、全体のチェック、預金の処理、Amazonの計上などをやります。
毎月見ているのは次のような数字です。

・お金

今、いくら持っているか。
これが第一です。
前月と比べて増えているか減っているか、去年と比べて増えているか減っているかも確認します。

このお金は、毎月だけではなく、毎日確認しています。
iPhoneアプリ「Moneytree」は、ネットバンクを登録しておけば、その都度残高を見ることができるものです。
クレジットカードも登録しておけば、カードでいくら使ったかもわかります。

【関連記事】iPhoneアプリ≪Moneytree》 レビュー
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この場合の「お金」は事業(会社、個人事業)とプライベート双方です。
どちらかしか見ていないというのでは、ひとりしごとの場合、意味がありません。
両方とも自分自身だからです。

・利益

次は利益。
8月の売上と経費をチェックします。

この場合の売上と経費は、8月分です。
8月に売り上げて、9月に入ってくるものも含めます。
8月のセミナーで7月に入金があるものも、8月分です。
9月のコンサルティングで、8月に入金があるものは、9月分に入れています。
8月にカードで買って、9月に引き落とされるものは、8月分です。

出版、本は、発売日に売上としています。
入ってくるのは、出版社によってまちまちなのですが、完成し店頭に並んだ時点で仕事が完了したと考えるからです。

このようにしないと、正しく「8月分」の利益が出ません。
入金や支払いは、ずれるものだからです。
【関連記事】規模が小さいからこそ「○月分」の数字を把握しよう
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売上と経費も前年と比べたり、今年の推移を見たりします。
8月分単月と、1月〜8月までの累計という単位で見ることも大事です。

私の場合、
・すべての業績(ビジネス、プライベート)
・ビジネス(個人事業)
・ビジネス(会社)
・プライベート(家計)
という単位でも数字を見ています。

売上(収入)だけ見ても意味がありません。
売上だけを上げるのは簡単だからです。
長時間働き、広告宣伝費を使い、どんな仕事でもやれば売上は上がります。
ただ、それを自分が望むのかどうかを考えなければいけません。

そのために、利益(売上ー経費)と時間を見なければいけないのです。
【関連記事】売上目標よりも時間目標。時間を考慮した売上をつくる。
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・業績予測

業績の予測は、1月〜12月で見ています。
8月までの数字はあるので、9月〜12月を予測し、数字を入れて、どのくらいで2016年を終えるかを見るものです。

ざっくりとでも予測をしておくと、もうちょっとがんばるべきか、このままでいいかを判断できます。

・資金繰り

お金に関しては、どのくらい入ってきたか、どのくらい出て行ったかの資金繰りも大事です。
8月までの資金繰りと、今後1年くらいの資金繰りも見ています。

たとえば、こんな感じだと、お金はちょっと目減りするわけです。
なんらかの対策を練らなければいけません。
9月以降は、大きな支出や入金を加味して見ています。

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【関連記事】Excel資金繰り表&テンプレート。ひとりでビジネスするならなおさら必須。
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・税金

気になるし、心理的な負担の大きい税金。
業績予測をすれば、税金がどのくらいかかるかがわかります。
会社は6月決算でこないだ払ったばかりですので、今は個人の税金を主に見ているところです。

・バランス

売上のバランスをグラフにしています。
(数字は架空です)
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収入の柱を複数もつことをおすすめいますし、自分自身も例外ではありません。
【関連記事】Excel円グラフの作り方。円グラフを見て売上のバランスをとる
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・移動年計

移動年計とは、月ごとの売上が変動するときに有効な数字の見方です。
私の場合も、セミナー売上やコンサルティング売上は変動が大きく、出版売上は水物ですので、移動年計が欠かせません。

【関連記事】売上が変動・不安定なら見ておきたい数字【移動年計】とExcelテンプレート
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がっつり稼げれば、数字なんて見なくてもかまいません。
ただ、そうでないのなら、不安があるのなら、数字を見てみましょう。

漠然とした不安の中、
・仕事をとり続ける
・働き続ける
・我慢し続ける
というのでは何も解決しません。

不安な人こそ、毎月の数字を見ましょう。
その不安はゼロにはなりませんが、限りなく減らすことはできます。

無駄遣いもありますし、数字を見ると心が痛いですけどね・・。

 

 





【編集後記】
最近、立ってブログを書くこともあります。
コワーキングスペースのテーブルがちょうどいい高さで、立ったまま仕事をやりやすいんです。
外国人の方がよくやっているので真似てみました。

自宅にもスタンディングデスクはあるんですけどね・・。

【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」

渋谷 チャオタイ
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