アイアンマンジャパン完走記 暗闇を42.2kmラン

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8/24(日)に参加したアイアンマンジャパン(スイム3.8 バイク180.2 ラン42.2)。
5回にわけてレポートしていきます。今回はラン編です。
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ランスタート!仲間と再会

バイクのゴールがぎりぎり3分前。着替える暇もなくランがスタート。
チェックポイントを通過してから、ひとまずシューズをきちんと履きました。
今思うと、裸足で走ればよかったのですが、けがをする可能性もありますし、これでよかったかもしれません。
右手にだけついているバイクグローブ(左手はバックに入れて預けた)をとって、ウェストポーチへ。

近くにいたマーシャルに念のため制限時間を確認。
ランの制限時間は6時間30分と認識していたのですが、バイク時の混乱で自信がなかったのです。
私の場合は、23:43が最終的な制限時間、その間にも関門があります。

普通にフルマラソンを走れば、ベストは4時間42分、去年のロング(スイム3.8km、バイク180.2km、ラン42.2km)だと5時間1分。
6時間30分もあれば、まあ大丈夫なはずです。通常の状態なら。

今回は、
・バイクの制限時間に間に合わせるためのスパートによるダメージ
・ラン用の装備に着替えられなかった
・バイクで気持ち悪くなり予定の補給ができてない
といった不安がありました。

案の定、走り出すと、太ももが痛み、ふくらはぎあたりがつりそうです。
まずは、補給所に向かいます。バイク後補給もできていませんでした。

ランコース

ランコースは、約10kmを往復するコースを2周。シンプルなコースです。
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緑がスタートで、まず①に向かいます。
この区間は応援の方も多いです。
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仲間と再会!

走り出してまもなく仙人とすれ違います。
ここまでスイム、バイク編では仲間の話が出てこなかったのは忘れたわけではありません。
スタート後、コース上では、スイムやバイクでは会わないのです。
実力が拮抗していれば別ですが、残念ながらそうではなく、コースも折り返しがありません。

ようやく会えるのはランのとき。
最初に会ったのは仙人でした。
毎月のように100km走り、アイアンマンのためにヤビツ峠というところでも練習していた仙人。
ゴール後に聞くと、ランでサブ4をねらっていたそうです。
軽快な走りをする仙人から、「ゴールで待ってまーす」と。
「2週目?」ときくと、「そうでーす」と。
あと20kmちょっと、いいなぁと思いつつも、その差に軽く落ち込みました。

それでもようやく出会えた仲間に勇気づけられ、走りも軽快になります。
にいさん、羅王は元気だろうか・・と思いつつ、走り続けました。

最初の1kmは、6分56秒。約7分。
このペースで行けば、7分×42=294分、5時間以内でゴールできます。
8分だと、8分×42=336分、5時間36分。
6時間半はなんとかなりそうです。

最初のエイドにつき、補給。コーラも飲み干します。
本来、コーラはもっと温存したかったのですが、今回は余裕がありませんでした。
痛い太ももを冷やすために、スポンジをトライパンツに挟み込みます。

その後スペシャルニーズバッグ置き場に。
ここには自分だけの補給食をビニールに入れておくことができるのです。
私はコーラを1本入れていただけ。
ウェストポーチの補給食をそれをバイクシャツに入れ替えていきます。
バイクからつけていて取り外す暇がなかったウェストポーチを取り外してビニールに入れました。
なくなる可能性もありましたが、軽量化のためしかたありません。
ここで3km。

折り返しまではまだまだあります。
どフラット(坂がなく平坦)と聞いていたコース、ちょっとだけ坂はありました。
まあ、どフラットといえばどフラットです。

ゆるやかな下り坂の途中で、にいさんと再会。
がんばりましょうとハイタッチ。
4人の中で、唯一にいさんは、文句も言わず弱音も吐きません。
(私はどちらも多めです)
今年3月に初フルかつサブ4、4月に初トライアスロン、5月に初ウルトラ、そして8月に初アイアンマンのにいさん。
このすれ違いのときも、黙々と走っていました。
ゴール後に聞くと、おなかを壊して6回トイレに行っていたそうです。
それでもそれを感じさせない力強い走りでした。

あとは、羅王。
最後尾かつぎりぎりだったので私が一番危ういわけですが、3人の無事が気になります。
特に故障をかかえていた羅王は心配です。

時刻は18:00前、ずいぶんと暗くなってきました。
それでも黙々と走ります。
同じく激坂で太ももが痛くなった、宮島トライアスロンと比べると、まだダメージは少ないものでした。
なんとか走れます。
太ももが痛くなるのはバイクで無駄に力を使っているからです。トライアスロンやるたびに太くなる太もも。本来は太くなってはいけないものです。

ただ、やはり気持ちが悪くなり、スポーツドリンクは受け付けません。
胃薬ガスター10を飲み、水、アミノ酸、ジェルを口にします。
ラン用のシャツにラン用の補給食をいれていたため、バイクシャツには固形物しか入っていません。
バイクがぎりぎりだったロス(着替えられなかった)が徐々に効いてきました。

お守り代わりに飲むはずのロキソニン(痛み止め)もラン用シャツの中です。

8kmほどの地点で、羅王がいました。
おそらく痛み止め漬けでしょうが着実に走っています。
「大丈夫?」
「なんとか」
とやりとりし、軽くハイタッチ。
羅王のハイタッチは、ハイパンチで痛いんです(空手もやってますので)。
普段はやらないようにしていますが、それでもこのときはハイタッチをしたいと思いました。

その後、折り返した仙人とすれ違いハイタッチ。
あいかわらず軽快でした。

元気をもらい折り返しまで、なんとか均等なペース。あと30kmほどです。
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待たせちゃいけない→つらい→待たせちゃいけない→つらい→完走したいのループ

シューズの選択

今回、シューズの選択に迷っていました。
フルマラソンで使う軽いものにするか、ウルトラマラソン用の耐久性重視にするかです。
結果的に、フルマラソン用の軽いシューズで走りましたが、正解でした。
脚が重く、耐久性よりも軽く、フォームを崩さないものがよかったと感じています。

フルマラソンでもアイアンマンのランでもフォームが大事です。
肩の力を抜き、ピッチを小さく高回転で、背筋は伸ばすなど、いつもどおりの走りを心がけました。

バイクパンツを脱いで軽量化

③で折り返して、ゴール近くの④へ向かいます。
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脚が重く、バイクの時からのはいていて脱げなかったバイクパンツが重く感じます。
トライアスロンパンツの上に2枚履きをしていたのです。
180kmという道中、できるだけ負担を減らすためでした。
(2枚履きが効果があるかどうかは諸説あります)

ゴール近くの④に向かうと、すでにゴールしている仙人が応援してくれます。
ゴールまであと22kmくらい、1km8分として、3時間弱。。3時間も待たせるのは気が引けました。
できるだけ早くゴールしなければ・・と焦ります。

折り返して2周目へ。
さすがにバイクパンツが重くなり、仙人のところで脱ぎ、渡しました。
汗だくのパンツ、申し訳ないと思いつつ・・・。
今思うとどこかのエイドでゴミ箱に捨てればよかったです。
冒頭の写真は、このときのもの。
走っているのですが、両手がぶらんとなっています。バイクパンツを脱ぐ直前かもしれません。
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同時に、ロキソニンがあるかどうか聞いたところ、「全部使っちゃいました」と。
無理もありません。
そんなに量を持ち歩きませんからね。

一縷の望みは、スペシャルニーズバッグ(3km地点と22km地点で2回通過できる)に置いてあるウェストポーチです。
探してみましたが、やはりなし。
しかたなく走り出します。

この頃から、疲れているみんなを待たせちゃいけない→ちょっとでも早くゴールしなきゃ→でもつらい→無理をすると故障して走れなくなったら余計に遅くなる→完走したい→でも待たせちゃいけない→とぐるぐる考え出しました。
フルマラソンに30kmの壁というものがあります。
30kmほどを過ぎると、脚が痛くなったり故障したりして走れなくなる、ペースが大幅に落ちるというものです。
過去にも私は経験しました。

今回はペースも落としているし、大丈夫と思いつつも、30kmに近づくにつれて恐怖心がわき起こってきます。

 

 

最後の10kmくらい意地を

そんな中、ゴール間近のにいさんとすれ違い、あと17kmほど。
普段ならなんなく走れる距離ですが、そのときは絶望的な距離でした。
ついに歩いてしまいました。。。

残り15kmになるまで2kmだけ歩こうと思って歩き出すと、羅王の姿が。
羅王も歩いていました。
むしろ私よりもつらそうです。
お互い歩きたくなかっただろうし、歩いてるときに会いたくなかったけど、そのときはほっとしました。

羅王からロキソニンをもらい、胃薬を飲み、ラスト15kmに臨みます。

マイルールを守る

歩きたくなかったのは、一度歩くと癖になるからです。
それでも「あの電灯まで」と限度を決めて歩き、そのあとは走りました。
1km歩いて、2km走る、1km歩いて1km走るなどと決めつつ、なんとか進みます。

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この頃になると、あたりは真っ暗です。
洞爺湖沿いの林道は街頭がなく、選手同士も見えません。
そのため、コンサートで持つ光る棒をもらって走っていました。

暗闇で走るというのも、精神的につらいコースです。
それでも、夜遅くまでエイドで声をかけてくださるボランティアの皆様には本当に感謝しています。
応援してくださる方、コース案内の方もお声をかけてくださります。
マラソンやトライアスロンでのマイルールは、応援してくださる方へ、「あざっす!」「ありがとうございます!」とこたえることです。
感謝の意を示すことができるとともに、より応援していただけることもあります。

今回も同様です。バイクの制限時間ぎりぎりのとき、ランの後半もつらかったのですが、例外なしにやっていました。
つらいときにふんばれるのは、マイルール、自分で決めたルールを守ることだけです。
これは普段の生活や仕事でもやっています。

もう1つは道にモノを捨てないこと。エイドでもらって飲んだり食べたりしても道ばたに捨てません。
これは人にもすすめるわけでなく、自分が決めたルールです。
もちろんタイムロスはありますが、自分のルールをやぶって完走しても意味はないと思っています。

そして、ぼろぼろの中で決めたマイルールは、「最後の10kmは走る」というもの。
折り返しのあとは、仲間とすれ違うこともありません。応援も少なくなり疲労もたまります。こういうときにマイルールがないと崩壊してしまうからです。
時間的には、あと10kmの地点で、残り2時間ちょっと。
歩いてもゴールできますが、それだけみんなを待たせてしまいます。
10km走りきってもだいぶ待たせてしまっているのですが、せめてのもつぐないにもなるかと思い、走りました。

ラスト10km

ラスト付近のラップはこんな感じです。
41kmから42kmの6分17秒がベストタイムですので、がんばったともいえるし、それまでをさぼっていたともいえるでしょう。
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20時間電池がもつ時計、ガーミン910XTもこの頃には、消えかけてました。
途中暗闇でラップを確認するために照明をつけていたからです。
電池がなくなると、ラップ(1kmごと)を知らせてくれるバイブもなくなります。
バイブをなくすことにより電池を長持ちさせるという粋な計らいかもしれません。

途中、やはり歩きたくなるときもありましたが、なんとか食いしばり、エイドで水をかけ、水を飲みつつ走りました。
ゴール前2km、ここからは応援が多くなりますし、なんとかなります。
仙人がいて応援してくれていました。

ここまでくると、あとはゴールシーン。
五島のときもそうでしたが、最後は単独でゴールしたいものです。
前後の選手の間隔を調整しつつ、ペースコントロール。

前の選手を抜くかどうするか迷うくらいでしたが調整でき、最後の直線へ。
知人の顔もありハイタッチ、ようやくゴールと思ったら、前の選手が勢いよくゴールしすぎてゴールの布がからまっています。
しかたなく、ちょっととまってようやくゴール。

電灯と重なっていますが、ゴールシーンです。
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結果、ランは5時間40分57秒。
トータルタイム16時間10分58秒。
6時13分にスタートして、ゴールしたのは、22時23分58秒。長い戦いでした・・・。
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記録速報やフィニッシュビデオで応援してくれていたみなさんありがとうございました!
両親も伯母もビデオを見てくれていたそうです。

ご興味あればこちらから見れます。
私のゴールは、電光掲示板の時計が16:23:50くらいです。
http://m.ap.ironman.com/triathlon/coverage/video.aspx?y=2014&race=japan#axzz3BEvkuJSR

特にRUNチームAdmiralのみんなは、ウォールでも応援してくれていて、レース後に読み感動しました(^^)
(われわれポセイ丼もAdmiralの一員です)

最後にポセイ丼で記念撮影。
どれが仙人で、どれが羅王で、どれがにいさんかは書きませんがわかるかと思います。
1/28の鉄人会議から、7ヶ月弱、一緒に練習し、風呂に入り、お菓子を取り合い、寝泊まりし、コソ練したり、知らぬ間にバイクのパーツが増えていたり、風呂入ったり、おもしろ写真を隠し撮りしたり、うちの実家に泊まりに来たり、急に練習しようと呼び出されたり、飛行機に遅れそうになったり、いろいろありましたが、無事4人とも完走できました。
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連載はもう1回だけ続きます。最後は総括です。

つづく
アイアンマンジャパン完走記 普通の人がアイアンマンになるために





【編集後記】
東京はずいぶんと涼しくなりました。
通常なら絶好のラン日和ですが、アイアンマン後の今はまったく興味がわきません(^_^;)

【昨日の1日1新】
※詳細は→「1日1新」

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